幼児の習い事選びで重要なのは「運動」と「学力」のバランス

小学校受験を見据えると運動系の習い事は何がおすすめ？

特に小学校受験を見据えた場合に、運動能力テストが用意されていることも多いため、運動系の習い事は受験対策にもなる。受験対策として、運動系の習い事はどのようなものがおすすめだろうか。

「本来、『運動＝体を動かす』ことですから、やって無駄になる運動はありません。ただ、お子さんに総合的な体力をつけさせたいとお考えであれば、テニス・卓球のように体の片側を酷使しがちなスポーツも良いですが、スイミングのように体を左右バランスよく刺激できるスポーツもおすすめです。また、小学校就学に必要な力、つまり『1クラス30〜40人の集団に適応・順応できる力』を身につけることを目的とするならば、ラグビー、サッカーなどのチームプレーを必要とし、かつ現代の子どもが苦手な身体接触が不可欠なスポーツもおすすめです」（牛窪氏）

受験合格を見据えると、習い事の教室選定も重要だという。

「小学校受験に合格するためには、すなわち『小学校に入学して学校に迷惑をかけず、本人が楽しめるだけの生活力（問題解決能力）が必要』だと、大きくとらえることが大切です。小学校側も運動テストでオリンピック候補を選んでいる訳ではありません。運動教室も、小学校受験を正しくとらえている指導者のいる教室を選ぶことが大切だと思います」（牛窪氏）

「運動」が学べる幼児教室

すでに世の中には、勉強と運動を重視した幼児教室が存在する。

●伸芽会「受験体操クラス」

伸芽会では東京、神奈川、埼玉・千葉、関西エリアに全24教室展開している。そのうち、一部の教室では幼稚園・小学校受験向けの教室だけではなく、受験体操クラスも用意されている。基礎体力や運動能力の向上のほか、集中力、根気、取り組む姿勢を含めて、子どもの自信が育つように指導。一般的な体操教室は、技術面の向上が主な目的であるのに対し、受験体操クラスでは受験指導のプロが年齢に応じて個々の目標に向けて指導する。

●「理英会・どんちゃか幼児教室」

理英会・どんちゃか幼児教室は、神奈川県を中心に、東京・千葉・関西エリアに展開する0歳からの知育と幼稚園・小学校受験対応幼児教室だ。文部科学省による新しい幼児教育の5領域として、運動や友だちとの関係、大人との関わり、生活体験、言葉、表現と知的体験をポイントに据えて教育している。知育部門では体を動かす「プレイワーク」と机の前での「デスクワーク」の2通りの方法で学べるため、運動能力も養いたい場合にも有効だ。受験コースの運動はプロが志望校に応じた指導をし、心と体を育む授業をしている。

子どもの習い事は何にすればよいか迷っている場合や、お受験のための準備を意識したい場合には、勉強と運動の両方を意識するのがよさそうだ。もちろん、親子で運動をするのも含めて、習い事や教室などの検討を行おう。

【取材協力】

牛窪 基久氏
伸芽会教育研究所 情報企画室 室長
受験指導歴43年。楽しいお話でお子様や保護者から親しまれる 人気教師。慶應幼稚舎、暁星小学校に約300名、横浜雙葉小、精華小に約 300名など、合格実績多数。

中西 克弥氏
株式会社伸芽会　代表取締役社長
1959年1月10日生まれ。1998年1月に株式会社日本教育公社（現（株）リソー教育）入社、2012年8月に株式会社伸芽会 入社 託児局局長。取締役託児局局長、常務取締役、専務取締役を経て、2023年3月代表取締役社長へ就任。

文／石原亜香利