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幼児の習い事選びで重要なのは「運動」と「学力」のバランス

2023.09.13

子どもの将来の小学校受験を見据えると、塾などの「勉強」系の習い事を重視しがちだ。しかし本来、幼児期は「勉強」と「運動」を分けて身につける時期ではないといわれることからバランスよく取り組むことが大切だ。今回は、幼児教育の専門家に、勉強と運動の習い事のバランスをとることのメリットやポイントを聞いた。

幼児に「運動」の習い事をさせることのメリット

小学校受験や幼稚園受験の塾の一つ、伸芽会は、幼児期には勉強と運動の両方の学習に取り組むことを勧めている。

同社の研究機関、伸芽会教育研究所の情報企画室 室長で、受験指導歴43年の牛窪基久氏は、受験をするか否かによらず、次のことを勧める。

「幼児は頭と体がつながっており、体の刺激が頭に伝わります。経験上、幼児教育の教室でも運動ができる子は総じて勉強ができる子が多いです。そして基礎体力が向上するにつれて、それが学びへの意欲、さらには理解を深めて定着し、学力の向上へとつながっていきます。また、共働き家庭において保育園から小学校に就学した時に直面しやすい『小1の壁』といわれる、子どもの生活リズムや環境に変化が生じ、保育園や幼稚園時代と比較して仕事と子育ての両立がむずかしくなるなどの問題も、幼児期からきちんとした規則正しい生活、特に起床時刻の一定化を基に、基礎体力をつけることで子どもの自立心を育て、保護者のフォローも楽になる糸口になります」(牛窪氏)

また同社の代表取締役社長 中西克弥氏にインタビューを行ったところ、次のように回答した。

「勉強でも運動でも、年齢や発達段階によって求められる力や目指すレベルも変わります。幼児の場合にはお子さまの自立度(自助力)の違いで成果に差が出ます。自助力が高いと当事者意識を持つ、問題解決能力が高まる、自己肯定感を持つといったように好循環が生まれます。したがって両立は十分可能で、むしろそういった目的意識を持たせて取り組む充足感や達成感が、他の領域にも広がっていき、課題に向かう集中力や、結果としての成績も高くなることが多いのです。幼児期は運動がきっかけになって成長が図れるケースも多いため、伸芽会では積極的に両立をおすすめしています」(中西氏)

「運動」と「学力」の相関関係

実は運動と学力には相関関係があることがデータで確認されている。2019年にスポーツ庁が実施した「体力と学力の関連についての分析事業」では、体力の評価が高い子ほど低正答数の割合が少なく、高正答数の割合が高かった。逆に、低体力の子ほど低正答数の割合が多く、高正答数の割合が低かった。遊びやスポーツで体力を高めた子ほど、学力レベルも高い傾向にあることがわかったのだ。

しかし牛窪氏は、運動を行ってもすぐに学力につながるわけではないと話す。

「おおむね10歳までは、健康な体づくりと規則正しい生活を心がけることで体内時計が整い、それがさまざまな理解と定着、そして頭の発達と学力に結びつく力になっていきます。せっかく子どもが興味を持って取り組んでいるのに親の都合で中断したり、やめたりするのが一番良くないと考えます。運動で大事なのは本人の意欲に基づいた継続なのです」(牛窪氏)

幼児期の運動系の習い事の代わりになることは?

ところで、現実的には3~6歳くらいまでの幼児に、運動と勉強の両方の習い事をさせると少々教育費が割高になる。運動系の習い事の代わりになる、無料でできる取り組みはあるのだろうか。

「小学校就学で求められる運動能力は下記の3点ととらえるとわかりやすいと思います」

(1)最低限の体力(=通学や40分程度の体育の授業が苦にならないだけの体力)
(2)通常の学校生活で「怪我をしない身のこなし」ができる力
(3)通常の学校生活で「他人に怪我をさせない」判断力

「この3点を培う意識が根底にあれば、親子やきょうだいでジョギングやキャッチボール、相撲など種目は何でもよく、行うことの効果は大きいと思います。ポイントは親子一緒に取り組むこと。公園でよく見かけるのが『はい、スキップ!』『次は、ケンパー!』などと親御さんが子どもに『やらせる』のをよく見かけますが、それはやめて、一緒に取り組んでみてください」(牛窪氏)

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