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航続距離は476km、日常の足なら十分!BYDのコンパクトEV「ドルフィン」に乗ってわかった実用性

2023.09.16

街中で運転がしやすく安定感に優れるドルフィン

今回試乗したドルフィンは、スタンダードモデルの「BYD DOLPHIN」でした。

実際にドルフィンを運転してみると、内燃機関(ガソリン車やディーゼル車)よりスムーズに加速し、静かで快適です。また、内燃機関の車から乗り換えても違和感を覚えることもありません。

加えて、全長に対してホイールベースが長めになっていることから、走行している時の安定感に優れています。取り回しのしやすさはコンパクトカーであるものの、直進安定性やコーナリングはひとクラス上の車のような感覚です。

試乗会当日の天候が良く、気温も高かったため、エアコンは常時オンにしていました。消費電力が多い状況でのドライブだったものの、航続距離が極端に短くなることはありませんでした。そのため、買い物・送迎・通勤など、日常使いのシーンでもバッテリー残量や航続距離を心配することなく乗ることができるといえるでしょう。

乗り心地は、落ち着きがあり、安定志向のセッティングです。路面から伝わるショックはサスペンションが上手く吸収してくれます。また、重量が重いバッテリーが床下に敷き詰められ、重心が低く、前後の重量バランスに偏りが少ないため、コーナーを走行する時のロール(旋回中の横への傾き)もさほど大きくありません。

後席はフロアトンネルがないフラットな床面です。そのため、5名乗車でも後席の真ん中の乗員が窮屈な思いをすることがありません。

また、荷室はフロアが高めであるものの、アンダートレイがあったり、後席の背もたれを倒すとフラットなスペースを作り出せるため、使い勝手に不満はないでしょう。

さらに、ドルフィンは安全装備や運転支援システムが充実しています。よって、老若男女問わず幅広い世代の方に適しているコンパクトEVといえるでしょう。

あらゆる世代の方に適している理由には、座りやすいシートの高さも影響していると考えられます。シートに座る時は、無理に腰をかがめる必要がなく、デスクのイスに座るように自然に着座することができます。このような自然な座り方で乗ることができるため、幅広い世代の方に適しているといえるでしょう。

安心して乗ってもらうために体制を整えているBYD

試乗会では、BYDの担当者の方へ質疑応答の時間がありました。興味深い内容でしたので、質疑応答の一部をご紹介します。

Q.「BYDは、ATTO3を皮切りに日本の自動車市場に参入しましたが、中国製という理由で批判的な意見をSNSなどで見かけることがあります。全国展開しているディーラー(販売店)でも、批判的な意見を聞くことはありますか?」

A.「販売店では、中国製という理由で批判的な意見を聞くことはほとんどありません。まず、BYDがどんなブランドなのかを見に来るお客様が多いです」

Q.「販売店で力を入れているポイントはありますか?」

A.「サービス体制を整えることを重点的に行っております。現在、日本国内にBYDのパーツのストックを複数用意しています。オーナー様から部品のオーダーが入った翌日にディーラーに届くよう体制を整えているため、何かあった際にも素早く対応することが可能です(一部地域を除く)。安心してお乗りいただくためにも、サービス体制はしっかり整えています」

Q.「安心して車に乗るためには、中国製の車であるということに対するバイアスを取り払うことも重要になってくるかと思いますが、その点は今後どのように取り払っていこうと考えていますか?」

A.「まずはBYDというブランドを知っていただき、実際に販売店で乗っていただくことが大切だと考えています。また、アフターサービスが充実しているという点についても多くの方に知っていただき、何かあっても安心だと知っていただくことも大切だと思います」

ドルフィンは十分な航続距離があり手が届きやすい価格なる可能性が高いEV

脱炭素社会の実現に向けて注目されている電気自動車。日本では充電設備をはじめとしたインフラが整っていないことが、今後の課題として挙げられます。また、何かあったら駆け込めるディーラーが近隣にあるという安心感も、日本で車を所有する時のポイントといえるでしょう。

さらに、EVは価格が高いモデルが多かったり、手が届きやすい軽EVの場合には航続距離が心配になったりするなど、価格と航続距離と性能のバランスが偏りがちです。

その点、BYDは日本で車を所有する安心感を満たし、EVならではの悩みを解消しながら、日本市場でのバリエーションを増やしています。今回試乗したドルフィンは、日本における価格が現時点(2023年8月末)ではわからないものの、先に販売を開始したATTO3(税込440万円)より手が届きやすい価格になる可能性は高いと考えられます。

手が届きやすい価格で航続距離が十分なEVを探している方、セカンドカーとしてEVを所有したい方、毎日の通勤や買い物などで走行距離を心配したくない方などは、BYD ドルフィンに注目してみてはいかがでしょうか。

取材・文/齊藤優太

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