新型「iPhone 15」シリーズが間もなく登場
石野氏:適用になるかどうかは発表されてませんが、いつでもカエドキプログラム+は、iPhoneの買い替えにもありです。今年のiPhoneはUSB Type-Cに対応する見込みですし、出張時の〝ケーブル地獄〟からようやく解放されるので、ありですよ。
房野氏:新型iPhoneの情報に関しては、ほかになにかありますか?
石野氏:あとは、ベゼルが細くなるとかですね。
法林氏:新型モデルへのType-C採用に加えて、旧モデルとなる「iPhone 14」シリーズにもType-Cバージョンが出るといううわさもある。iPhoneは国内外で生産量が減っているので、どういった勝負をしてくるのかわからない。あとは価格ですよね。次のPro Maxは1TBモデルが30万円超えといううわさもあります。
石川氏:ただ、iPhoneがType-Cになるということは、AirPodsとかもType-Cになるでしょうから、ケーブル屋さんとかも盛り上がるはず。業界全体として潤うといいですね。
石野氏:あと、急速充電のワット数が上がるという話もありますね。
法林氏:これまでのLightningケーブルでは、できないことがたくさんあったので、Type-Cの規格になれば改善するはず。ただ、アップルは「自社のケーブルじゃないと……」みたいなことをやりかねないので、それが心配です。
アピールの仕方を変えてきた「Xperia 5 V」
石川氏:新しく登場した「Xperia 5 V」を見て思ったのですが、今回はかなり見せ方を変えてきたなと。
房野氏:かなりカジュアルな印象でした。
法林氏:カジュアルに寄せたのはわかるけど、「Photography Pro」のUIは従来同様、難しいままだったり……ちょっと、ちぐはぐな感じがする。
石川氏:今までのXperia 5シリーズは、Xperia 1シリーズのコンパクト版という位置づけだった。プロクリエイターが使う端末として、4Kディスプレイを搭載したXperia 1シリーズ、小さい画面のXperia 5シリーズという見せ方だったのが、カジュアルにして、Xperia 5 Vはインフルエンサー向けですという打ち出し方をしています。実際に中身を見ると、カメラこそ変わりましたが、搭載チップセットとかカメラセンサーのベースは「Xperia 1 V」となっている。ちょっと日和った感じ。
石野氏:ポップなビジュアルになって、打ち出し方としても、「カメラがキレイ!」「音がいい!」みたいなプロモーションをしているけど、そう言っている割には、Photography Proで「シャッタースピード優先」といった難しい設定が出てきちゃうし、相変わらず「Cinema Pro」が搭載されていて、デジカメの操作にあまり詳しくないユーザーには、何がなんだかわからなくなってしまう。
石川氏:本当に見せ方だけ変えた感じだよね。
石野氏:UIも変えないとダメじゃない? っていうツッコミは出てきますよね。
石川氏:ただ、なんとなくの方向性はわかったというか、何か新しい機軸を入れたいというのはわかる。
石野氏:ぼかしてはいたけど、多分Xperia 5 IVがあまり売れていないんだと思います。ソフトバンクが投げ売りしていたりと、Xperia 1路線のハイエンドとして打ち出すには中途半端だし、逆に若い世代からすると、難しそうなスマホっていうイメージ。どちらからも敬遠されてしまっている。
法林氏:中途半端に見えちゃうんだよね。ハイエンドの人からすると物足りないし、エントリーの人からすると難しすぎる。キャッチーなネタがないんだよね。
石川氏:ただ、ソニーはデジカメでαシリーズをやりつつ、VLOGCAMっていう、中身がほとんどなにも変わっていないものを作って成功しているんですよ。
石野氏:モフモフを付けただけで売れたような(笑)
石川氏:そう。それが成功体験になっているんじゃないかな。
石野氏:マーケティングの力で売ろうとしている感じですね。
石川氏:新製品発表会のプレゼンも、マーケティングの人がやっていましたからね。
……続く!
次回は、Y!mobileの新料金プラン、auの金融新サービスについて会議する予定です。ご期待ください。
法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。
石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。
石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。
房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。
構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦