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2022年のアニメ制作業界市場規模は前年比4.9%増の2597億9000万円で回復傾向

2023.09.12

専門スタジオ(下請):収益力は改善傾向 「増益」割合はコロナ前水準に到達

下請としてアニメ制作に携わる「専門スタジオ」では、2022年の平均売上高は2億3200万円となり、コロナ禍による制作本数減の影響を大きく受けた21年(2億2300万円)から増加に転じた。業績動向では、「増収」は39%、「減収」は18%と増収が減収を上回り、特に減収の割合は過去20年で初めて2割を下回った。損益面では、「増益」が45%と最も大きかった。

専門スタジオでは、引き続きアニメーターの採用や育成を進めるほか、老朽化に伴う機材更新やデジタル機材の導入など積極的な設備投資を進め、受注消化能力や付加価値を高めている。

また、特にCG使用を中心に請負単価が上昇した専門スタジオもあり、全体的な収益力は改善傾向へと向かっている。旧作のスキャニング・レストアをはじめ、人の動きをデータ化するモーションキャプチャー、アナログからデジタル作画への転換など、拡大するデジタル制作分野の事業へ進出・展開するケースもあり、元請の制作動向に左右されない収益構造を目指す動きもみられた。

一方、大手制作会社と比較して待遇面で不利な専門スタジオでは特に専門人材の確保が難航しており、外注費の増加で大幅な損益悪化を余儀なくされたケースもあった。

2021年のテレビアニメは310本 2年連続で増加も、ピーク時の約8割にとどまる

日本動画協会によると、2021年のテレビアニメ制作本数は310本だった。20年に続き2年連続で増加したものの、ピークの2016年(361本)に比べて約8割の水準にとどまった。
アニメーター不足に端を発するアニメ制作現場のひっ迫で大幅な本数増加が見込めないため、2010年代初頭から顕著化した、制作本数増による需要増に支えられたビジネスモデルは転換期を迎えている。

アニメ産業市場をみると、動画配信サービス(VOD)など「アニメ配信市場」が過去最高の1543億円を記録し、過去10年で10倍に急拡大した。Netflixのほか、Hulu、テンセントなどの利用が普及・浸透したことが主な要因とみられる。

「劇場版アニメ市場」(602億円)も大きく伸長し、興行収入100億円を突破した『ONE PIECE FILM RED』や『呪術廻戦 0』などジャンプ系作品、『すずめの戸締まり』といったヒット作が押し上げたほか、『犬王』など特色ある作品も登場した。

テレビアニメでは、『SPY×FAMILY』『ぼっち・ざ・ろっく!』など話題作が多く、各シーズンで人気を獲得したアニメ作品が多かったほか、『うる星やつら』など過去に放映されたアニメ作品のリメイクも活発化している。

また、2023年もテレビアニメで『推しの子』が話題となっているほか、4話構成でYouTubeに公開された『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』など、テレビ放送を介しない制作スタイルや、自社単独出資・制作による作品の存在も目立ってきた。

「動画配信」日本アニメに追い風 3社に1社が海外取引、米国系企業が最多

日本アニメ制作会社が海外の動画プラットフォーマー、制作企業と取引を行うケースが増えている。アニメ制作企業314社のうち、外注や制作請負、作品提供などで海外企業との取引が判明した企業は103社に達した。全体の3社に1社が海外企業と取引しており、取引社数・割合ともに調査開始以降で過去最高だった。

このうち、米国系企業との取引は前年(26社)から約2倍に増加し、22年に続き取引の拡大が続いている。NetflixやAmazonなど、米国系動画プラットフォーマーへのアニメ作品提供や、独占配信などの直接契約・取引といった機会が、大手から中堅元請企業へと広がっていることが要因にあげられる。近時の日本アニメは、制作面では中国や台湾、韓国へ、配信面では米国や欧州へ、それぞれ取引が増える傾向が強まっている。

調査概要/信用調査報告書ファイル「CCR」(190万社収録)ほか外部情報をもとに、アニメ制作企業を対象とした業界調査を実施。
調査期間/2023年7月時点
調査機関/株式会社帝国データバンク
アニメ制作企業/
アニメ制作に従事する企業のうち、直接制作を受託・完成させる能力を持つ「総合制作企業・グロス請企業(元請・グロス請)」と、脚本や演出、原画、動画、CG、背景美術、特殊効果、撮影、編集などの専門分野において、下請としてアニメ制作に携わる企業(専門スタジオ)

関連情報
https://www.tdb.co.jp/index.html

構成/清水眞希

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