リスク情報を検知するAI「FASTALERT」などを提供しているJX通信社では、関東大震災から100年の節目を迎えるにあたり、市民の防災意識を探る全国規模の調査を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
東京23区や政令指定都市に住む人は災害への備えをしている割合が高い
調査では、「家族の安否確認の方法を決めていますか」「避難経路や避難場所を確認していますか」など、地震災害への備えに関して8つの質問を行なった。
その回答を東京23区、政令指定都市、その他の市、町村の4つの区分に分けて分析したところ、8つの質問全てで東京23区や政令指定都市に住む人は、それ以外の地域に住む人よりも、災害への備えをしている人の割合が高くなった。
人口規模の大きい都市部の方が、地方よりも地震災害に対して備える意識が強いことが推察できる。
食料の備蓄に関する質問では、特に顕著な結果が出た。東京23区の住民は、60%以上が3日分以上の食料を備蓄していると回答しており、その割合は町村の住民に比べて28ポイント以上高い結果となっている。
これらの調査結果から、災害に備える、家族で話し合うといった防災意識が都市部よりも地方に居住する人の間で低いことがわかる。
一方で、近年は時間雨量50mmを超える短時間降雨の回数が30〜40年前のおよそ1.5倍に増加(※)するなど気候変動の影響が顕著になっており、災害が地域を選ばず全国的に発生するようになってきた。
※国土交通省 水害レポート2022より
地方における自治体の災害対策では、近年、人口減少といった課題から「公助」のみならず、自分の身を自分で守る「自助」や地域で助け合う「共助」がより重視されている。
しかす、今回の調査では特に地方において、「自助」「共助」の主体である住民の防災意識の向上が急務であるという課題が浮上したと言えるだろう。