部下が指示待ちの状態に陥ることは、多くのリーダーやマネージャーが直面する課題でしょう。チームに関わるメンバー一人一人が能動的に行動することでチームとしてより良い成果に繋がることは間違いありません。しかし、いくらリーダーが主体的に動くように部下にアプローチしたとしても、「教えてくれないと動けません」というセリフを恥ずかしげもなく発し、自らの責任に向き合わず、課題を解決しようとしない部下(若手)は一向に絶えません。今回はこのような部下(若手)がなぜ発生してしまうのか?リーダーとしてどのようにアプローチすべきなのか?を考えていきたいと思います。
本来あるべき事実の仕組みを理解しているか?
唐突ですが、質問です。
ビジネスを営む上で「給与」「サービス」「対価」がありますが、これはどのような順序で発生しているでしょうか?
もちろん、①「サービス」を提供し、②お客様から「対価」をいただき、③会社から「給料」が支払われます。当然、これが正しい順序です。
ただ、例えば新入社員が企業に入社するとどうでしょうか?入社した時点で、お客様に何のサービスも提供していない(会社には何も貢献していない状態)にも関わらず給料が支払われるのではないでしょうか?
当然、新入社員を雇った場合、即座に戦力化することは難しいですし、戦力化するための育成期間が必要です。そのことを企業も理解しているため、まだ何も会社に貢献していない社員にも入社した時点で給料を支払う仕組みを会社は整えてあります。
しかし、このあるべき流れに反する仕組みがあることで、「自分は何もしなくても給料がもらえる存在だ」と錯覚を起こしてしまう可能性があるのです。
また、この錯覚を持つ社員が増え続けると会社はどうなるでしょうか?
社員一人一人が提供するサービスよりも会社が支払う給料が多くなるため、会社は飢餓状態になり倒産に近づいてしまいます。
よって、社員には、前提として、本来あるべき順序をきちんと理解させなければならないのです。
学生と社会人の最も大きな違いは、サービスを受ける立場からサービスを提供する立場に変わるということなのです。学生は自ら(保護者、または国)授業料を支払っているため、先生(学校)は必ず何かを教えてくれます。学ぶ側がお金を支払っているためそれは当然です。しかし、会社は働く人が給料をもらう場所になります。つまり、そもそも何かを教えてもらう場所ではなく、自らが能動的に働き、誰かに価値を提供し、そしてその対価として給料を得るところなのです。
よって、その前提が理解できていれば「教えてくれないから、指示をされていないから動けません(働けません)。」という発言は生まれないのです。ごく当たり前のことのように思いますが、この前提がズレていたら一向に状況は好転しません。まず、この前提を全てのメンバーが正しく理解できているかを確認しなければならないのです。