③「働きすぎ社員」の行動を変えるためには?
ここまで、「働きすぎ社員」を生み出す環境について話してきました。
ここからは、「働きすぎ社員」ではなく「働く社員」にするために何が必要かを伝えていきます。
まず、「働く社員」の定義ですが、「会社や顧客が求める成果を出すために働く社員」とします。目的として、「会社や顧客が求める成果を出すため」がズレないことが重要です。
前述の通り、「働きすぎ社員」は自己判断で仕事をしていることが多い可能性が高いです。このような社員は自らコミュニケーションを取りに行かず、勝手な判断をすることが多いです。そのため、何が責任範囲かを明確にしておく必要があります。
目的を理解しているかどうかは、ゴールを確認する必要があります。管理職として、部下がその日、何をゴールに取り組んでいるか、今月何をゴールに取り組んでいるか管理できているでしょうか。
管理するとは、部下がそのゴールを達成できるようにすることです。
報告は部下から来ているでしょうか。管理職から聞かなければ、どのような状況か分からないようでは管理できているとはなりません。
「働きすぎ」とならないように、期限を決めて報告しコントロールしていくことが重要です。
「働きすぎ社員」は、本来自己判断してはいけないことまで自己判断します。ルールがあっても認識していませんでしたと言います。
逆にいえば、管理職が明確に自分で考えること(成果を上げるためには考えさせる必要はあります)と自分で決めてはいけないこと(残業等の判断、会社ルールで決まっていること)を線引きして指示できていないと考えないといけません。
「働きすぎ社員」がいることで、管理職が求める成果を出せるとなっても、ルール違反してまで成果を出すことは評価されません。ルールのもと成果を出すことが管理職、部下に求められます。
管理職は「働く時間」を増やさないと成果を出せないでなく、「働く時間内」に成果を出させるように管理していくことが求められます。
「働きすぎ社員」が「適正に働く社員」に変えていくのも管理職の仕事です。
まとめ
働きすぎ社員のモチベーションを下げずに、効率よく仕事に取り組ませるためには?
最後に、効率よく仕事に取り組ませるために必要なことは、ずばり適正なコミュニケーションです。
成果が出れば評価されます。評価されればモチベーションはあがります。
がんばっているのに、成果が出ず評価が下がることでモチベーションが下がることが問題です。
管理職は、結果を出させるしかありません。
効率よくは、仕事を取り組むために必要な「ルール」を明確にすることです。「ルール」が明確になることで、コミュニケーションがはかどります。「ルール」が曖昧だと感情的なコミュニケーションになります。
今、どのような環境で、どのような「声掛け」をしているか考えてみましょう。
文/株式会社識学 武田充彦