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遅刻、早退、職場離脱、職場のルール違反をした社員の対処法

2023.09.25

遅刻や早退など、守って当たり前のルールを守れない人は職場にいらっしゃいませんか?

「あいつは仕方ない」といって特例を認めてしまうと、職場の規律が乱れて崩壊を招いてしまいかねないですし、𠮟りつけたりするとパワハラだと言われかねない。リーダーとしての責任は感じつつも対応に悩むといったマネージャーも多いのではないでしょうか。

そこで、そういったルール違反が起きる原因とその対処法についてご紹介します。

ルール違反が起きる原因とは?

結論から申しますと、ルール違反が起きる原因は一つしかありません。

それは「ルールを守らずに許された経験」があるからです。

ルール違反について相談を受けた時にこう回答すると、そのマネージャーは頭を抱えます。自分が「許した経験」が事実としてあるからです。ただし、マネージャーを責めるためにそう回答しているのではありません。

「ルールを守らずに許された経験」をさせてしまうのにも原因があるのです。では、主な原因を3つご紹介します。

① ルールが不明確

ルール違反が起きる原因の多くは、ルールに問題があります。例えば「遅刻はしてはいけない」というルールですが、「遅刻」とは何かが定義できていなと守っているか守っていないかの判断を、指摘するマネージャーも守る側も迷います。「遅刻しそう」と認識した際にいつまでに誰にどのような形式で報告すればルール違反にならないかが不明確なケースも多く、「遅刻しないのは社会人として当たり前だ」という理由で、当たり前のルールほど不明確なまま放置されているのです。こういったルールの不明確さからマネージャーは指摘するのをためらい、最初は遅刻だという認識が無くルール違反した人でも、ルール違反を繰り返すことになるのです。また、「組織内の誰でもできるルール」と「できるできないが存在するルール」が混在して管理されている状態もNGです。「時間は守らないし、売上も上がらないし、挨拶も服装もなってない」といったような注意をしていませんか。何を守り、何を目標にして行動するのかが不明確になり、迷いが生じます。

② ルール違反を指摘できないルールが存在する

これも上記と同様ルールの問題です。ルールは明確でもルール違反を現認することができないようなルールは指摘することも守らせることもできません。例えば「後部座席のシートベルト着用ルール」などがそれに該当します。後部座席のシートベルト着用率は、約43%で、運転席の99%を大きく下回っています。①と②のように守っているかどうか判断できない、指摘できない、見つけることができないといったルールが存在すると、ほかのルールを守らせることも困難になるのです。

③ ルールを守らせる仕組みが不足している

ルールを守らせるためには、守らざるを得ない仕組みを構築する必要があります。例えばこんな状態にはなっていないでしょうか。ルールを周知できていない(知らない人がいる)、ルール違反時の対応が決まっていない、ルール違反の罰則が決まっていない、新入社員育成にルールを守れるかどうかのチェックが入っていない、ルール違反を集計していない、ルールをチェックし見直すミーティングがないなどです。この状態では、ルール自体に問題があるのに守らせていないマネージャーだけが責められることになり、マネージャーの負担が大きくなることで本来の役割が果たせなくなり、問題は深刻化していきます。

ルール違反の対処法

では、上記で挙げた原因を解消し、「ルールを守らずに許された経験」をさせないためにはどうすればよいのでしょうか。それぞれの原因ごとに、対処のポイントをご紹介します。

① ルールの明確化

明確化に必要なのは、大前提として認識がズレない設定です。ルールだけでなく、ビジネス上のコミュニケーションには、「期限と状態」が設定されている必要があります(期限や期限時の状態が抜けた会話や指示をしていませんか?)。「当たり前だから」と個人の解釈に任せず、設定されたタイミングでどのような状態であればルール違反なのかを定義しましょう。ルール違反状態になりそうな場合に事前に上司に報告するルールを付加しておくのも重要なポイントです。加えて、ルールが多すぎると一つ一つが明確でも記憶することができずにすべてが不明確になってしまいます。

そのうえで、「組織内の誰でもできるルール」と「できる、できないが存在するルール」を明確に分けて管理する必要があります。そして、誰でもできるルールは「それはルール違反です」と100%指摘をすることがマネージャーとしての役割であり、それができなければ、部下の成長(=「できなかったことをできるようにする」)を管理することは困難なのです。

② 指摘できるルール

上記①のように、明確にしているにもかかわらず、指摘が困難な状態になっていれば、ルールを見直す必要があります。チェック可能なルールに変更するのはもちろん、指摘できないルールを放置するとほかのルールも守らなくなる(指摘できなくなる)可能性が高いので、変更が困難であればルールを廃止することも必要となります。つまり、①にも②にも言えることとして、作ったルールを固定化せず、問題があればルール自体の変更を繰り返す必要があるということです。

③ ルールを守らせる仕組みを構築する

ルールには、「ルールを運用するルール」が必要なのです。

具体的には、ルールとセットで「違反時の対応」「罰則」が設定されている必要があり、すべてのルールを「周知する方法」が決まっていて、「ルールをチェックして見直すミーティング」が定期的に実施される必要があります。また、ルールを運用するためには「全員が知っていて守れる」ことを事実として記録しておく必要があります。そのため、新入社員研修の中でルールを覚えさせ(テストが必要です)、研修の中でルールを守れていることをチェックする(守れていなければ次に進めない)ことで、「守れた実績がある状態」をすべての社員が経験してから所属部署に配属される仕組みを作ることをおススメしています。加えて、ルール違反があったことを指摘するだけでなく、ルール違反を記録することも重要です。カウントすることでルールの問題か個人の問題かの判断も可能になりますが、カウントが困難であれば、口頭での指摘だけでなく必ずテキスト(社内SNSなど)でも指摘するようにしましょう。

まとめ

マネージャーがルール違反を指摘しようかどうか迷ったとき、部下が上司の言うことを聞かなくなってきたとき、そんなときはルールの見直しが必要なタイミングです。

ルール違反をする人にももちろん問題はありますが、「違反できる環境になっている」ということも事実です。

部下のルール違反に頭を悩ませているマネージャーは多く、そもそもマネージャーになったばかりの方はどうすればいいのかわからずに迷っているうちに時間が過ぎていってしまいます。でも、マネージャーには「ルールを守らせる責任」とセットで「ルールを作り変更する権限」があるのです。つまり、「違反できない環境」を作る権限を持っているのです。

悩みを抱えているマネージャーの皆さん、自分には「責任を果たすために必要な権限」という武器があることを忘れないでください。そしてその権限をフル活用して環境を作り、問題があっても「個人」が責められるのではなく「仕組み(ルール)」が見直されていき、全員がルールを守って競争して成長できる「良いチーム」を作ってください。

文/株式会社識学 渡會剛至

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