【AJの読み】国内外で多発する水問題の解決に取り組むWOTA
WOTAは、2021年に英国王立財団とウィリアム王子が設立した環境賞「アースショット賞」にて、ファイナリストに選出された実績がある。これをきっかけに、カリブ海諸国において最も水不足に悩むアンティグア・バーブーダで、WOTAの小規模分散型水循環システムの導入に向けた基本合意に至っている。
2019年に発売した「WOTA BOX」は、生活排水の98%以上を再生して循環利用することを可能にする可搬型の水再生処理プラントで、水道による都市単位の水循環をわずか0.25㎥のサイズの装置で実現、災害による断水など、水道がない状況下での継続的な水利用を可能にする。
続く製品として2020年に発表した「WOSH」は、水道が無い場所にも設置できる水循環型手洗いスタンドで、流水による手洗いに加えて、スマートフォンの表面を99.9%以上除菌する機能も搭載しており、公衆衛生・空間衛生に貢献した製品。
気候変動による水害や水不足は全世界で多発しており、災害時の水問題のみならず、島嶼や過疎地での安価で安定的な水の供給といった代替インフラまで、WOTAの取り組みが今後もますます注目される。
文/阿部純子