【研究成果①】ミノキシジル塗布による毛細血管増加の「可視化」に成功
血管はあらゆる組織・細胞に栄養や酸素を供給する重要な器官であり、毛包の成長においても極めて重要な役割を担っていることから、発毛成分であるミノキシジルの皮膚血管網に及ぼす影響を検証した。
血管を可視化できる遺伝子改変マウスに5%ミノキシジルを約1か月間塗布し、皮膚血管の状態を顕微鏡下で観察。その結果、ミノキシジル塗布により、毛包周囲の毛細血管が増加しており、特に毛を作り出す司令塔とされ様々な発毛因子を分泌する毛乳頭細胞近傍の毛細血管密度が顕著に増加することが明らかになった。(図1)
また、毛の材料を作り出すおおもとの細胞である毛包幹細胞が存在する、毛包バルジ領域周囲の毛細血管密度も増加し、毛包幹細胞に接触する毛細血管の割合も増加することを確認。これらのことから、ミノキシジルは血管を介して、毛包の幹細胞に影響を及ぼすという新規のメカニズムが示唆された。
※2 VEGFR1
血管内皮成長因子(VEGF)のシグナルを細胞内に伝達する受容体で、血管細胞に存在。このシグナルは、毛細血管の増加に重要な役割を担っている。