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10月末で終了する「のぞみ」「ひかり」の車内販売について思うこと

2023.09.03

伝説のカリスマパーサーの接客術とは?

パーサーの接客に感動を覚えたことはない私だが、“伝説のパーサー”に会ったことはある。構成を担当していた『魔女たちの22時』(日本テレビ系)に出演してくれた「伝説のカリスマ販売員」茂木久美子さんである。

山形新幹線に乗車し、東京―山形1往復半の1人当たりの売り上げ平均金額が7~8万円のところを54万円も売り上げた文字通り“伝説”であり“カリスマ”だ。

「つばさ」の片道は3時間ほど。他のパーサーは平均3往復していたところを茂木さんは7往復もしていたそうだ。理由は「乗客に会う回数を増やせばいい」と考えたから。

さらに、「会計にかかる時間を減らせばいい」と思い付いた茂木さんは、両ポケットに釣銭のコインを分別して入れた。

そして最大のポイントは、ワゴンを後ろ向きに引いて歩く「バック販売」。それで、乗客の視線を感じ取り、「買おう」としている人をいち早く見つけ出していたのである。

果たして、最年少で「JR東日本」管内の社員販売員1300人中3人しかいないチーフインストラクターとなり、1300人の教育にあたっていた茂木さん。現在は人材教育や講演活動をしているという。

さて、「氷をおつけしますか?」は缶の「角ハイボール」を買うとき、パーサーが確認するマニュアルだ。私は毎回、「けっこうです」と断っていたのだが、先日、それを「お願いします」と聞き間違えたらしいパーサーが凍り入りのプラスチックのコップを差し出した。

(要らなかったのになぁ)と思いつつ、缶のハイボールを注いだところ、これが最高に美味しく飲めた。以来私は必ず氷を頼んでいる。

“聴き間違い”ではあったものの、唯一、印象に残っている接客である。

11月1日からはグリーン車の各座席に設置されたQRコードで乗客自身のモバイル端末から食事や飲み物を注文。パーサーが席まで届けることとなる(「こだま」を除く)。年配の旅行客などは不便を感じるかもしれない。「JR東海」の今後のサービスと接客に期待したい。

文/山田美保子
1957年、東京生まれ。初等部から大学まで青山学院に学ぶ。ラジオ局のリポーターを経て放送作家として『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)他を担当。コラムニストとして月間40本の連載。テレビのコメンテーターや企業のマーケティングアドバイザーなども務めている。

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