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まさに無料体験の宝庫!超円安時代におけるアメリカ旅行の穴場スポット「ワシントンDC」の歩き方

2023.09.08

地続きのカリフォルニアから極上のビーチリゾートへ。富裕層を取り込むメキシコのバハ・カリフォルニア半島

バハ・カリフォルニアの豪華インフィニティプールでリラックスした休日を

物価高は世界共通だが、アメリカの大都市よりはまだ割安なのが、隣国のメキシコだ。ハリウッド・セレブのような贅沢三昧のリゾート滞在も、メキシコに来れば手が届くかもしれない。

ロサンゼルスに行くなら、もちろんロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が活躍するアナハイムも外せないが、さらに南の国境を越えた先のメキシコ、バハ・カリフォルニア半島(Península de Baja California)まで足を延ばしてみてはいかがだろう。ちなみにダルビッシュ有選手の所属するサンディエゴ・パドレス本拠地から国境までは、車で約20分の距離だ。

ただし、メキシコでの車の運転はリスクがある。おすすめなのは、ロサンゼルスから2時間のフライトで到着するロスカボス(Los Cabos)。バハ・カリフォルニア半島の南端に位置し、日本人になじみのない場所かもしれないが、カンクン(Cancún)に並ぶメキシコの一大ビーチリゾートだ。

アメリカ西海岸からの旅行者にとっては、ハワイと同じくらい身近な存在。バハ・カリフォルニア半島は「世界の水族館」とも称されるダイビング、スノーケル天国で、その美しい海は「カリフォルニア湾の島々と保護地域群」として世界遺産に登録されている。また、コククジラが繁殖する湾「エル・ビスカイノ生物圏保護区」も同じく世界遺産。

そうした奇跡のような海を楽しみ尽くし、ロスカボスでリゾート気分を満喫するのが、アメリカ人の旅の過ごし方。冬季は雨が多くなるハワイと比べて晴天率が高く、毎日のように気持ちの良い青空がのぞめる。中でも旅の拠点として申し分ないロスカボスの2大都市が、カボサンルーカス(Cabo San Lucas)、サンホセデルカボ(San José del Cabo)である。

地元民に言わせれば、若者向けがカボサンルーカス、より洗練された雰囲気を好む大人向けがサンホセデルカボ。多くの観光名所や商業施設、ホテルが集まるカボサンルーカスは、便利なロケーションである一方、にぎやかなナイトスポットのため少々騒がしい。

近年は都会の喧騒を避けるかのように、海沿いにホテル・エリアがどんどん延び、ハリウッド・セレブも利用する隠れ家的なラグジュアリー・リゾート施設が周辺に続々と登場して話題を集める。

サンホセデルカボは広場を中心にかわいらしいショップやレストランが軒を連ね、最近はカリフォルニアさながらのおしゃれなカフェ、バーなども次々にオープンしている。

フォトジェニックな街角にはアートのオブジェが並び、映えスポットも豊富。大き過ぎず小さ過ぎずの街のサイズ感は、徒歩で散策するのにちょうどいい。ロスカボスは観光マネーで潤うせいか、夜の街でさえ人通りもあり、治安の悪さは感じない。

カボサンルーカスではボートに乗ってランズエンド(Land’s End)へ。小さな島々の手つかずのビーチとアーチ岩、コルテス海のダイビング・スポット、アシカの生息地を回るツアーも

サンホセデルカボの中心地には、モダンなスタイルのショップやレストランがたくさん。のんびり街ぶらを楽しもう

現地で驚くのがすし店の繁盛ぶりである。日本食自体が珍しかった数年前とは一変、リゾート内にすしカウンターがあるかと思えば、ホテル前にもさらにすし屋が。

アメリカで巻き起こる空前の日本食ブームの影響が隣国にも及んでいる。ただ、メキシコらしくトロピカルなフルーツを用いた南国風アレンジはアメリカからの旅行者の目にも新鮮で華やか。すしは、アメリカとはまた違う独自の進化を遂げているようだ。

プールサイトそばにすしカウンターを備える高級リゾート・ホテル内は、アメリカからの旅行者であふれる

刺し身もアメリカとは異なる方向で現地の食文化に溶け込んでいる。メニューに「刺し身」とあっても、それはしょうゆとわさびで食べる刺し身を指すとは限らない。

バハ・カリフォルニアの店で出されるのは、言わばメキシコ風カルパッチョだ。地元の新鮮な魚介を使うだけあり、意外に日本人の舌にもおいしい。中南米でセビッチェと呼ばれるシーフードのマリネの感覚にも近い。

サンホセデルカボに新しくできた居酒屋ラウンジを訪れてみた。これがまた楽しい。バハ・カリフォルニアのテイストが加わったすしには、唐辛子ペーストやモーレソース、食用花がトッピングされている。タコのろばた焼きにはメキシコの熟成チーズをたっぷりと。

クリエイティブなカクテルは和牛やしめじ(!)、抹茶、ヌードル入りも。見た目からして斬新でユニークだ。これも新たなメキシコの味覚と言えよう。

コロナ禍でアメリカ人旅行者の受け皿として大きく観光業を成長させたメキシコ。特にバハ・カリフォルニアはその立地条件から市場が拡大を続け、西海岸からのアメリカ人旅行者に向けたビジネスが花盛りである。

ハワイ同様、メキシコもカリフォルニア化が止まらない。日本からのビジネス参入も今が狙い目か。そう、メキシコ人ではなく、ターゲットはよりお金を落とすアメリカ人旅行者だ。

文・写真/ハントシンガー典子
東京での出版・広告会社勤務を経て、アメリカ・シアトルに移住して20年以上。現地の日系タウン誌編集長職を10年以上務めるほか、日本語メディアにライフスタイル、旅、観光、育児、トレンド、海外移住など、多数の記事を寄稿する。米企業ウェブサイトのローカライズにも従事し、主にマーケティング分野で翻訳・執筆・編集を行う。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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