資生堂〜顧客データ一元化によるシームレスな顧客サポート体験の実現
「製品・サービスの使い方を調べる」目的でのデジタルサポート利用者が6割を超える資生堂。こうしたニーズに対して資生堂「ワタシプラス」の「美容の情報」ページでは、スキンケアやメイクアップに関する最新トレンド情報やハウツー記事を豊富に掲載するなど、ユーザーの期待に応えている。
また、簡単な質問と顔の写真から肌状態を分析、ケア方法を提案してくれる「肌パシャ」や、顔タイプやパーソナルカラーを診断して似合ったメイクアップ方法を教えてくれる「Makeup Finder」など、ユーザーの「キレイ」を支える便利で役立つコンテンツも提供している。
また、資生堂は2022年9月に新会員サービス「Beauty Key」をスタート。これまで個別の販売チャネルやブランドごとに分かれていた顧客情報をOne IDで一元管理できる環境を整えた。
ユーザーのお気に入り情報や肌測定結果、購入履歴などがシームレスに連携されたことで、自分に合った情報が取得しやすくなった点も高評価を得た要因のひとつであると考えられる。
銀行、モバイル決済サービス分野で評価が向上。「アプリ」の利便性が鍵
今回のランキングでは住信SBIネット銀行(NEOBANK)が11位、イオン銀行が14位にランクインするなど、銀行およびモバイル決済サービス分野が大幅に評価を伸ばした。
両分野の高評価の要因として考えられるのは、公式アプリの情報の充実度、質の高さだろう。
その他の分野では公式アプリの問題解決率は公式サイトよりも低い傾向が見られたが、銀行やモバイル決済サービス分野では公式アプリも公式サイトと同水準の問題解決率となっている。
企業によってアプリを通じた情報提供にはばらつきが見られる中、サイト、アプリいずれも顧客との重要なタッチポイントとして捉え、ユーザーの状況やニーズに応じて好ましいチャネルから必要な情報を容易に取得できようにしている点が高く評価されたのではないか。
チャットボットは問題解決できなかった場合の「他チャネルとの連携」が重要
なお、今回調査ではチャット機能についても利用経験者に意見を聞いている。
オペレーターが対応する有人チャットについては「電話、フォーム、メールよりも便利」と感じている人が6割を超えた。
また、自動応答のチャットボットについても「いつでも利用でき、便利」と感じる人が6割を超え好意的に捉えられている。
ただし、チャットボットについては「解決しないときは、他の解決手段(有人チャット、電話番号など)を提示してほしい」という人が7割と高く、異なるチャネルを適切に連携させて問題解決に導くことが重要だといえそうだ。
調査概要
調査時期/2023年6月2日~6月26日
調査方法/インターネットを通じたアンケート調査
回答者プロフィール/企業・サービス別に抽出したデジタルメディア(公式サイト、公式アプリ、LINE公式アカウント)を通じたサポートおよびコールセンター利用経験者(20〜69歳)
有効回答数/1万2000人
調査対象企業・サービス数/150
調査対象分野/OTC医薬品/化粧品・トイレタリー/化粧品通販・健康食品通販/運輸・旅行/クレジットカード/モバイル決済サービス/銀行/生命保険・医療保険/自動車保険/証券/携帯電話会社/インターネット接続サービス/有料放送サービス/動画配信サービス/電力・ガス/ゲーム機・ゲームソフト/パソコン/プリンター・パソコン周辺機器/デジタルカメラ/時計・スマートウオッチ/家電製品/住宅設備
構成/清水眞希