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ビジネスシーンで頻出する「拝受」の意味と使用時の注意点

2023.09.19

「拝受」という言葉の意味をご存知だろうか?聞いたことはあるものの、よく意味を分かっていない人も多いと思う。

本記事では「拝受」の意味について解説する。「拝受」の使いどころや例文、言い換え表現の例についてもまとめた。

拝受の意味とは?

拝受とは「何かを受け取る」を敬語にした言葉であり、読み方は「はいじゅ」である。ビジネスシーンにて、目上の人や上司、クライアントから手紙、メールを受け取った際に使われることが多い。

敬語には、丁寧語・尊敬語・謙譲語の3種類があるが、拝受は謙譲語にあたる。謙譲語は自分の立場を下にすることで、相手への敬意を示す言葉だ。拝受も、自分をあえて下げるべき場面で使われる。

拝受の対義語

拝受の対義語は拝辞(はいじ)である。拝受が何かを受け取ったときに使うのに対して、拝辞は何かを辞退するときに使う。

たとえば、クライアントから新しいプロジェクトの誘いを受けたが受けることができない、という場合に「せっかくのお誘いですが拝辞します」というように用いる。

何かを断ると、相手に不快な印象を与えてしまう可能性があるため、言葉選びには慎重になる必要がある。拝辞を使うことで丁寧な印象になり、断られた側に悪印象を持たれずに済むメリットがあるのだ。ただしもちろん、単に拝辞を使うだけでなく、拝辞の文脈や断るタイミングなども大事ではある。

拝受よりも拝辞の方がむしろ、ビジネスシーンで使う場面は多いかもしれない。

拝受の使いどころ

拝受は主にビジネスシーンで使われる言葉だが、中でも次の3つの場面でよく使われる。

  • メールが来たとき
  • 物が送られてきたとき
  • 資料を読み終えたとき

これらの場面でどのように拝受が使われているのか、1つずつ詳しく解説していく。

メールが来たとき

拝受は目上の人からメールが来たときに用いることが多い。仕事では、相手からのメールを読んだことを知らせなくてはいけないことがある。

メールを読んだことを相手に知らせないと、相手が「ちゃんと読んでくれたかな」と不安に感じてしまう場合があるのだ。たとえば、上司やクライアントから重大な連絡をメールで受けた際は、メールを読んだ旨を速やかに報告した方が良い。

【例文】

さきほどメールを拝受しました。ご連絡誠にありがとうございます。

物が送られてきたとき

拝受は何らかの荷物が目上の人から送られてきた際にも多く用いられる。後で正式にお礼を言う予定だが、ひとまず軽くメールでお礼を言いたいときに、拝受は便利だ。

【例文】

先日、例の品物が届きました。まずは拝受のお礼まで。

資料を読み終えたとき

拝受は上司やクライアントにもらった資料を読み終えた際にも使われる。資料を作成した側は、「内容ちゃんと理解できてるかな?分からない点はないかな?」と不安に感じている場合も多い。特に何も質問がないなら、そのことをメールで示した方が良いだろう。

【例文】

資料を拝受しました。丁寧にまとめてくださり誠にありがとうございます。

拝受を使う際の注意点

拝受は社会人にとって必要不可欠な「ほうれんそう」を行う場合にも使える、便利な言葉である。しかしながら、使用にあたっていくつか注意しなけれはいけない点もある。

拝受を使う際の注意点は次の4つだ。

  • 二重敬語に気をつける
  • 部下に対しては基本使わない
  • 「拝受をお願いします」などとは言わない
  • 「拝見しました」と間違わないようにする

これら4つの注意点を知らずに使っていると、相手に失礼な印象を与えてしまうこともある。

二重敬語に気をつける

拝受を使う際は二重敬語に気をつけたい。たとえば、「拝受いたしました」という表現は、敬語を二重に使っているのでやや不適切だ。

他の二重敬語の例としては、次のようなものがある。

  • 「お目にかからせていただきます」
  • 「伺わせていただきます」

二重敬語はくどい印象を与えてしまうため、使わない方が良いと言われることが多い。

一応、二重敬語に関しては、丁寧な印象を与えられると肯定的な意見もある。ただ、基本的には使わないのが無難だろう。

部下に対しては基本使わない

拝受は部下に対しては使わないのが基本だ。なぜなら、拝受は謙譲語だからである。謙譲とは自分の立場を下げる言い回しであるため、部下相手に使うのはふさわしくない。

拝受はあくまで、目上の人や上司に対して使う言葉ということを覚えておこう。

「拝受をお願いします」などとは言わない

「拝受をお願いします」のように、相手に何かを受け取ることをお願いする際に拝受を使うのは間違った使い方と言える。

繰り返しになるが、拝受は自分の立場を下げる言い回しだ。そのため、このような使い方は失礼にあたる。もし部下がこのような使い方をしてきたら、注意した方が良いだろう。

「拝見しました」と間違わないようにする

拝受と拝見はよく似ているので間違わないようにしよう。拝見は「見る」を謙譲語にした言葉だ。対して、拝受は「受け取る」ことの謙譲語。拝受と拝見は意味がまるで違うのだ。

たとえば、目上の人から荷物が届いた際に「拝見しました」と連絡すると、違和感を持たれるかもしれない。

拝受の言い換え表現の例

場合によっては拝受という言葉を使わない方が良いこともある。そこで、拝受の言い換え表現の例についてまとめた。拝受は次のような言葉で言い換えることができる。

  • 「拝領しました」
  • 「受け取りました」
  • 「ご査収ください」

これらの言い換え表現も併せて知っておくと良い。1つ1つの言い換え表現の例について、詳しく解説していく。

「拝領しました」

「拝領」は目上の人から物をもらうことを意味する謙譲語だ。拝受と類義語ではあるが、

拝領には「大切なものをもらう」という意味も含まれているのが特徴だ。そのため、クライアントなどから大切なものを受け取った場合には、「拝領しました」だとより丁寧な印象になる。

「受け取りました」

拝受は部下に対して使うべき言葉ではない。部下からメールや提出物を受け取った際は、シンプルに「受け取りました」で問題ないだろう。

「ご査収ください」

さきほど解説した通り「拝受をお願いします」というと失礼にあたる。相手に対して、何かを確認してほしいことをお願いする場合、「ご査収ください」が便利だ。

「ご査収ください」は尊敬語なので、目上の人に対して使える。あるいはシンプルに「お受け取りください」でも問題ない場面が多いだろう。

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