白髪が黒髪に戻る!?ホーユーが研究に力を入れている聖なるハーブ「ヤーバサンタ」の白髪改善効果
2023.08.28白髪には黒髪に戻る白髪と戻らない白髪がある
2006年から白髪改善研究に取り組んでいるホーユーでは、2007年に白髪改善に効果がある成分としてステルビンを見出し、ステルビンがハーブの一種「ヤーバサンタ」に含まれており、ヤーバサンタ以外には多く含まれていないことから、ヤーバサンタに注目して研究を進めてきた。その後、ヤーバサンタの白髪改善予防効果を複数の実験で確認し、研究成果を国際学会や論文で発表している。
ヤーバサンタ(イエルバサンタ)はスペイン語で聖なるハーブと称され、北アメリカの西側からメキシコまでのアメリカ大陸に生息している。ホーユーの研究で、ヤーバサンタの中でも、エリオジクチオン・アングスチフォリウム種には多くのステルビンが含まれていることが確認された。
ヤーバサンタを配合した製剤塗布試験では、5名の被験者に、ヤーバサンタ配合製剤を半年間、毎日2回頭皮へ塗布を行い、研究員が毎週目視で毛髪1本ずつを白髪改善効果について評価。その結果、被験者5名全員で最短2週間から3ヶ月以内に白髪改善効果が確認された。
白髪改善効果があった毛髪の顕微鏡写真を見ると、根元が黒にはっきりと変化し、途中にかけてグレーに変化しているのがわかる。
ホーユーの研究から、ステルビンは色素細胞と色素幹細胞の両方に作用することが明らかになった。ステルビンは色素幹細胞を活性化することで、白髪が抜けた次の毛周期にメラニンを産生できる色素細胞を生み出せるようになり、幹細胞に作用することで、白髪改善効果だけでなく白髪予防効果が期待できることがわかった。
また、ステルビンの高い抗酸化作用は、日光など外界からのダメージより色素幹細胞DNAを守り、色素幹細胞の老化を予防するため、その結果、白髪予防につながる。
さらに、ホーユーの独自成果として、ヤーバサンタがメラニン産生のための4つのシグナル伝達のすべてを活性化することを確認。1つのシグナル伝達を活性化してもメラニンは産生されるが、4つのシグナル伝達すべてを活性化することによって、より強力な効果が期待でき、現時点では、4つすべてを活性化するのはヤーバサンタしか確認されていないという。
「ヤーバサンタ・ステルビンによる白髪改善効果の確認とそのメカニズムの一端が解明してきたことで、ヤーバサンタ・ステルビンでは黒髪に戻る白髪と、戻らない白髪があることもわかってきました。
白髪になる仕組みは、色素細胞の機能が低下している、色素細胞の機能が停止している、色素細胞と色素幹細胞が枯渇しているという3パターンが存在します。見た目には同じように見える白髪でも、色素細胞と色素幹細胞の状態によって、黒髪に戻る可能性がある白髪と黒髪に戻らない白髪があると考えられます」(伊藤氏)
「白髪はほぼ全ての人に生じる老化の顕著な特徴のひとつですが、疾患ではないので治療薬がありません。
最近の薬は特定の分子を標的としたものが多く、そのため個別の疾患には効果的ですが、白髪のようにその原因が多岐にわたり、人それぞれに異なるような場合には効果が出る人と出ない人が現れると思われます。そのため、多くの人に有効な白髪化の予防法というのはありません。
ホーユーの研究によるヤーバサンタ・ステルビンの効果は、色素細胞や色素幹細胞の維持や文化に重要な複数の遺伝子を広く活性化することで白髪改善効果を発揮でき、さらに白髪の予防が期待できるという点で、多くの人に有効性が期待でき、今までにない新しい発見だと思われます。
医学の分野では、老化は病と考え始められています。視力や聴力、記憶力、認知力あるいは筋力などの低下には個人差があるように、白髪の進行にも個人差があります。
予防医学の分野では、健康寿命を目指すことを目指して、こうした老化の症状の進行を予防する研究が進んでいます。
老化が疾患として扱われるようになれば、その顕著な特徴の一つである白髪も老化関連疾患として捉えられ、白髪の改善や予防に有効な薬や製品が販売できるようになるかもしれませんし、白髪の改善や予防に関する研究から、老化のメカニズムが解明される可能性もあるかもしれません」(青木氏)
【AJの読み】白髪悩みに新たな選択肢
遺伝的な要因なのか、筆者は10代から白髪があり、息子も高校生のときから白髪が出ていた。20代から白髪が多かったため、3週間に一度白髪染めをするのは非常に面倒でストレスだった。
50代に入って美容師に相談し、白髪と黒髪の差がわかりにくいようにメッシュを施してもらいながら、1年かけて白髪染めを落としてグレーヘアにした。
グレーヘアにしてから白髪染めではなくカラーをのせている。黒髪にカラーリングするのとは異なり、地の髪色が白なのでさまざまな色合いが楽しめ、色落ちしてからも白髪が目立たないので、2~3か月に一度程度のカラーリングで済み、髪染めのストレスからも解放された。
白髪があると老けた印象に見えるので、白髪が増えると対処法に悩むところではあるが、現在はグレーヘアを楽しむ、筆者のようにカラーリングをして色を楽しむなど多彩な選択肢がある。
今回のホーユーの研究成果は、白髪が黒髪に戻るという「白髪があっても黒髪をあきらめない」という新たな選択肢を提示しており、今後の研究、製品化に期待が高まる。
文/阿部純子