旅行では、睡眠時間を削ってでも旅程を詰め込みがち。
元来、「睡眠」と「旅行」は水と油のように思えるが、欧米では最近、「スリープツーリズム」という言葉がトレンドに。これは“睡眠の質を高める旅行”のことで、多くのホテルが宿泊プランを提供している。
日本でもスリープツーリズムに注目するホテルが増加している。そのひとつが、英国に本社を置く「IHGホテルズ&リゾーツ」が展開する「ANAクラウンプラザホテル」だ。同ホテルでは、快眠コンサルタント監修のもと独自の快眠プログラム「スリープ・アドバンテージ」を開発。快眠へ誘う様々なアメニティー、快眠のヒントをまとめたオリジナル小冊子が提供されるプランだ。
一方、カプセルホテルという業態で、快眠にアプローチするのが全国13店舗を展開する「ナインアワーズ」。一部店舗で睡眠解析事業に基づくサービスが提供されている。これは、本人承諾のうえで宿泊者の睡眠データを赤外線カメラ、集音マイク、体動センサーで収集・解析。心拍、いびき、無呼吸の回数などが、「睡眠レポート」というかたちで宿泊者に提供され、不眠症や不整脈といった懸念がないか知ることができる。開始から1年足らずで1万人超が利用した人気サービスである。
また、人里離れた自然豊かな地で睡眠の質を見直すプランを提供するホテルも。「ホテルグランフェニックス奥志賀」では今年6月より睡眠時無呼吸症簡易検査をオプショナルプランとして販売した。
先進国中で睡眠時間が最も短い日本。ホテルで睡眠負債をリセットしてみてはいかがだろう?
全国21都市にあるホテルで快眠プランを実施
ANAクラウンプラザホテル
オリジナル快眠プログラム「スリープ・アドバンテージ」
睡眠改善学に基づき、「就寝前のリラックス」「夜と朝のメリハリ」「良好な睡眠環境」を重視した快眠プログラムを開発。自分に合った快眠枕を選べ、フットピロー、エッセンシャルオイル、アイウォーマー、入浴剤なども用意。
「ANAクラウンプラザホテル金沢」では連泊することでお得に。2泊2万9600円〜(税金、サービス料込み。1室2名様利用時、朝食付き)
※9月30日まで
標高1500mの環境で自分の眠りを知る
ホテルグランフェニックス奥志賀
「イビキ分析」プラン 6600円(宿泊は別料金)
標高1500mの長野県・奥志賀高原に位置し、美しい緑に包まれたホテルでは森林ヨガなど様々な「Well-Beingな旅」プランを提供。「イビキ分析」プランは、「睡眠時無呼吸症候群」の簡易検査を行なうことのできる宿泊者向けのオプショナルプラン。
渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニックの協力のもと、診断結果は自宅に配送される。院長の楠裕司先生による本プラン限定「睡眠の質改善」動画付き。
睡眠解析サービスの提供店舗を拡大
ナインアワーズ
「9h sleep fitscan」
カプセルは「内部に角が無く繭のような形状で閉塞感が少なく、安心して眠れる」設計。2022年には、完全遮音、温湿度管理、クリーン換気がはかられた新型カプセル「9h sleep dock」を導入。老舗枕メーカー「まくらのキタムラ」開発の快眠枕をリサイズしたものを採用。
睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」では、後日、データを睡眠レポートの形式で提供。
取材・文/編集部