■連載/阿部純子のトレンド探検隊
「マツキヨココカラ&カンパニー」では、マツモトキヨシ創業90周年を記念して、シューズブランド「PATRICK」、ヘッドウェア&アパレルブランド「NEW ERA」、アパレルブランド「ユナイテッドアローズ」などとコラボレーションした、ドラッグストア業界では珍しいアパレルコラボ商品を限定発売している。
デザインアワードを複数受賞してきたマツキヨのブランディング戦略
異業種コラボを実現させた、MCCマネジメント 商品統括本部 商品開発部 商品開発課 次長 櫻井壱典氏に、なぜマツキヨココカラ&カンパニーがアパレルに挑戦したのか、コラボレーションの経緯、マツキヨのブランド戦略などについて話を伺った。
――アパレル参入の背景について
当社のプライベートブランド開発においては、他社との差別化を画し、斬新さや革新性を根底に意識しています。今回のアパレル商品開発のテーマは「Be Crazy」。当社のグループスローガンは「Find your “!”(wow)」ですが、「Be Crazy」な精神で商品づくりをしないとお客様にはワオ!という驚きが伝わらないと考えたのです。
2015年にプライベートブランド「matsukiyo」を立ち上げて以降、「マツモトキヨシ」全体のリブランディングに取り組んできました。マツキヨらしい驚きや楽しさが評価され 2018年にはプライベートブランドのデザイントイレットロールが、世界的権威あるパッケージデザイン賞であるペントアワードなど多くの賞を受賞し、さらに2022年には世界三大広告賞の一つのレッドドット・デザイン賞を受賞しました。
2022年は、当社初のトレンド体験型ショップ「マツモトキヨシ 池袋 Part2店」が世界的なデザインアワード「iFデザインアワード」も受賞するなど、エンターテインメント性あふれる体験や空間づくりを通じて、従来のドラッグストアの枠を超えたブランドイメージを創出しています。
マツモトキヨシは90周年を迎え、ブランディングの一環として、店舗のリブランディングにも取り組んでおり、次世代に向けた新たなブランドイメージ確立を目指したいと、これまでの店舗をさらに進化させた5タイプの店舗フォーマットに再構築しました。