変わらず便利な大画面、チップセット刷新による画質改善にも注目
ただし、ディスプレイのサイズ感などは前モデルから変わっていない。閉じると細長い6.2インチ、開くとコンパクトなタブレットに近い7.6インチにディスプレイが拡大する。前モデルのGalaxy Z Fold4で、開いた時のアスペクト比がより正方形に近い縦長になったことにより、閉じた時の横幅が拡大。一般的なスマホよりは細長いものの、閉じたままでも使い勝手は悪くない。QWERTYキーを打つにはやや横幅が足りないが、ギリギリ入力は可能。フリック入力をするには、むしろほどよいサイズ感と言える。
閉じると一般的なスマホより、やや細長い。QWERTYキーを打つにはギリギリのサイズ感だ
開いた時のディスプレイは、さすがに迫力がある。画面いっぱいに写真や動画を表示させたり、2つ以上のアプリを同時に使ったりしやすいのは、7.6インチというサイズがあってこそ。この点は、Galaxy Z Fold4譲りだ。一方で、Galaxy Z Fold5では、輝度が200ニトほど上がり、1200ニトになっている。ピーク時の輝度は1300から1750ニトに向上。普段はあまり違いを感じないが、屋外での視認性は上がっている。
複数アプリの表示をしやすいなど、大画面ならではのメリットは少なくない
また、Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxyを採用したことで、パフォーマンスも向上した。先代のGalaxy Z Fold4が搭載していた「Snapdragon 8+ Gen 1」も十分高性能だったため、普段使いではその違いを体感しづらいが、パフォーマンスを求められるゲームなどをする時には、Galaxy Z Fold5の方が力を引き出しやすい。使っている際に熱を持ちにくかったのは、チップセットに加えて、ベイパーチャンバーを拡大したためだろう。
「Geekbench 6」のスコア。Galaxy Z Fold4の時より、シングルコア、マルチコアともにスコアが向上している
Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxyを採用したことで、Galaxy S23シリーズと同様、カメラの仕上がりも向上している。センサー自体は変わっていないものの、ノイズが少なくなったり、色味の正確さが上がったりと、その恩恵は少なくない。実際、以下はGalaxy Z Fold4とGalaxy Z Fold5で夜景を撮り比べたもの。やや暗い場所だと、Galaxy Z Fold5の方が、よりノイズが少なく抑えられており、描写も精細だ。
カメラの構成やセンサーは、前モデルとほぼ同じ。ただし、フラッシュのレイアウトなどが一部変わっている
上がGalaxy Z Fold5、下がFold4。見比べると、ややディテールの精細感が上がっているほか、HDRの効きもよくなっている
一方で、夜景を撮った時の仕上がりには、あまり違いが出なかった。ビル明かりで光量が十分だったためか、その差は小さい。ナイトモードを有効にすると、さらに見分けがつけづらくなる。ただし、ナイトモード利用時には、Galaxy Z Fold4が2秒だったのに対し、Galaxy Z Fold5は1秒に短くなっていた。そのぶん、本体を固定している時間が短くなるため、撮影はしやすくなっている。
同じく上がGalaxy Z Fold5、下がFold4。街灯回りの白飛びなどが減っているが、パッと見での違いはすくないかもしれない
ただし、ナイトモードの秒数は1秒で撮ることができた。固定する時間が短くなり、ブレなどを防ぎやすくなっている
色調も、Galaxy Z Fold4の時のようにド派手になりづらく、安定していた。以下に掲載する料理の写真は、その比較としてわかりやすいかもしれない。Galaxy Z Fold4より、彩度は抑えめだが、どちらかと言えばGalaxy Z Fold5で撮った写真の方が現物に近い。ISPの性能向上やチューニングが進んだためと見てよさそうだ。同様に、デジタルズームを組み合わせた30倍ズームをした時の写真も、Galaxy Z Fold5の方がよりシャキッとした仕上がりになる。
上のGalaxy Z Fold5の方が、色味は自然。逆に、Galaxy Z Fold4は、不自然に彩度が高くなっている印象だ