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最近よく聞く「ケンタウロス企業」ってどういう会社?覚えておきたいスタートアップ企業との違い

2023.09.18

近年、クラウド系サービスを提供する企業の中で、特に持続可能性が高い存在が注目を浴びており、ユニコーン企業に代わる『ケンタウロス企業』と呼ばれています。ケンタウロス企業・ユニコーン企業をはじめ、そのほかの呼び名を冠されるスタートアップ企業の特徴を押さえておきましょう。

ケンタウロス企業とは

2022年頃から、主にクラウドサービスで利益を上げている企業の中で、特に希少性の高い存在が『ケンタウロス企業』と呼ばれ注目されています。まずはケンタウロス企業とはどういうものなのか、具体例とともに確認しましょう。

ARR1億ドル以上の企業のこと

ケンタウロス企業とは、10億ドル(約1,460億円、1ドル=146円で計算)以上の評価額に加え、ARR1億ドル以上の未上場企業を指します。ARRAnnual Recurring Revenue)とは『年間経常収益』のことで、毎年その企業が決まって得られる収益です。

数ある未上場企業の中でもとりわけ成長性があり、将来が期待できるスタートアップを指す表現として、広まりつつあります。

詳しくは後述しますが、評価額が10億ドル以上の企業は『ユニコーン企業』と呼ばれ、業界の注目を浴びる傾向にあります。ケンタウロスもユニコーンもどちらも神話上の生き物ですが、ユニコーン以上に屈強な存在として、成長が著しい企業を指す呼び名として使われるようになりました。

ケンタウロス企業の一例

ケンタウロス企業の一例としては、次の企業が挙げられます。

  • Pendo:ソフトウエアの使い勝手をよくするソフトウエアとして認知が高まっているプロダクトプラットフォームを提供
  • Cloudinary:画像や動画を保存できるマルチメディア管理ソリューションで、ユーザーは世界で9,000社超
  • inVision:無料で利用できるプロトタイプ作成ツールを提供しており、多くの有名企業がアプリ開発で導入・利用
  • Dataiku:データベースへの接続やAI(人工知能)による機械学習モデルの構築、分析アプリの開発などに利用できるプラットフォーム

これらはいずれも、クラウド系のサービスを展開している企業です。2021年には60社、2022年には約70社のケンタウロス企業が誕生しており、今後も同系統のサービスが世界的に注目を集めると予測されています。

その他のスタートアップ企業との違い

ビジネスの打ち合わせ

(出典) pixta.jp

ケンタウロス企業のほかにもスタートアップを形容する言葉として、上記の『ユニコーン企業』や『ミノタウロス企業』など、いくつかの表現があるので、ここで押さえておきましょう。それぞれの概要について、ケンタウロス企業と比較しながら簡単に解説します。

ユニコーン企業

ユニコーン企業は設立10年以内で、評価額10億ドル以上の未上場スタートアップを指す言葉です。もともと将来性が高く、かつ希少性が高い企業を意味していましたが、現在では全世界で1,000社を超えている状況です。急速に成長を遂げ、短期間で市場価値を向上させた企業であり、投資家から高い期待を寄せられています。

ただし、すでに1,000社を超えている現状もあり、希少性の面で疑問視される向きもあります。また、ほとんどのユニコーン企業のARR1億ドル未満のため、近年はARR1億ドル以上のケンタウロス企業が注目されるようになりました。なお、日本におけるユニコーン企業の代表例としては、SmartHR社やSpiber社などが挙げられます。

ミノタウロス企業

ミノタウロス企業とは、資金の調達額が10億ドル以上のスタートアップ企業を指します。多額の資金調達が可能な企業は、事業の拡大に十分な余裕を持たせられるので、安定した成長を続ける可能性が高く、投資対象としても魅力的です。スタートアップの中でも、投資家からの信頼が厚い傾向にあります。

ただしスタートアップを形容する言葉としては、ユニコーン企業やケンタウロス企業ほどには用いられない用語ではあります。

デカコーン企業

デカコーン企業とは創業10年以内で、評価額が100億ドルを超える企業を指す言葉です。つまりユニコーン企業の中でも、とりわけ評価額が高い一部の企業であり、世界でも現状50社程度しか存在していません。

『デカ(Deca)』とは10倍を意味する接頭辞であり、ユニコーン企業の10倍の評価額を持つという意味で、デカコーンと命名された経緯があります。デカコーン企業の例としては、オーストラリアのCanva社やスウェーデンのKlarna社などが有名です。

ヘクトコーン企業

ヘクトコーン企業はユニコーン企業のうち、評価額が1,000億ドルを超える企業のことです。デカコーン企業と同様に造語であり、ユニコーンに100倍を意味する接頭辞『ヘクト(Hecto)』を組み合わせた言葉です。

ヘクトコーン企業は現状、動画投稿アプリの『TikTok』を手掛ける中国のByteDance社と、アメリカの宇宙開発ベンチャーであるSpaceX社、アメリカで有名になった中国系ECアパレル企業のSHEIN社しかありません。

ケンタウロス企業に注目が集まる理由

契約成立のイメージ

(出典) pixta.jp

ユニコーン企業に代わり、ケンタウロス企業が投資家から注目を集める理由は何なのでしょうか?細かい理由はさまざまですが、主に投資家が重要視する指標が、評価額から企業の顧客基盤や組織力などにシフトしてきた点が挙げられます。

強い顧客基盤と組織力

ケンタウロス企業が投資家から注目を浴びるのは、ARR(年間経常収益)が高く、ユニコーン企業よりも安定的に成長しているためです。上記のように、ユニコーン企業はすでに1,000社を超えています。その中には、必ずしも経営基盤が安定していない企業もあり、人員削減を進めているケースもあります。

評価額に注目するだけでは経営の実態を見極められず、投資先としてリスクが大きいと判断する人が増えたため、近年はARRを新たな指標とする動きが出てきたのです。今後は、ユニコーン企業よりも基盤がしっかりしており、組織力も堅固なケンタウロス企業が、希少価値のある存在として、より注目を集めるでしょう。

構成/編集部

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