1970年代に爆発的な人気を博し、令和元年前後に海外セレブの影響で再び話題になった、“紅茶キノコ”ことコンブチャ(kombucha)。日本ではブームが去ったように感じる“腸活によい”とされる発酵飲料だが、遠く離れたここイギリスでは、まだその熱は止みそうにない。
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特に、手軽に摂取できる缶やボトルタイプの市販品が人気だ。イギリスでコンブチャが引き続き売れている背景を探る。
コンブチャとはなんぞや〜ベテラン店員に聞く〜
コンブチャとは砂糖で甘くした茶類に菌株(scoby)を漬け込み、発酵させた飲料だ。抗酸化物質、乳酸菌など身体によい菌、プロバイオティクスが腸内環境を整え、抗菌作用もあることが特徴だ。
起源については諸説あるが、イギリスではもっぱら2000年以上前の中国ということで、概ね合致している。ただし、緑茶も主成分であるせいか「日本由来」という説もときおり見かけ、その場合は名称が同じ昆布茶と混同されている模様。
いまや主要な大手スーパーで、見かけない日はないほど存在感を放つコンブチャ。健康食品や自然派商品に特化したドラッグストア「ホランド&バレット(Holland&Barrett)」でも、当然力を入れているアイテムだ。
レジ横のもっとも目立つところに、わざわざ冷蔵庫を設置してコンブチャを販売する「ホランド&バレッド」
ロンドン南部の店舗に20年勤務する大ベテラン、トレイシーさんによると、同店でもっとも売れる缶タイプはジンジャー&レモン味。「Remedy」ブランドは、どれもノンシュガーなので砂糖やカロリーを気にしなくてよい点が魅力、とのこと。
コンブチャをひと言で表すなら、同じく近年人気が高い乳酸菌飲料「ケフィアのようなものだ」と教えてくれた。確かに、ヨーグルトに似たケフィアも酸味がある発泡性の発酵ドリンクで、腸活に適している。
ショーウィンドウの広告ポスター(写真左)にも、大きく写真が写っているコンブチャ製品
なお、トレイシーさん自身は始め、自家製コンブチャを飲んでいたがその酸味がえずくほどキツかったそうだが、「次第に慣れるので、腸にはよいし、飲み続けてみるべきだ」と力説していた。初心者にはすでに風味付けされている、市販品の方が継続できそうだ。