数年前、猫好きも猫好き以外の人をも魅了した3D巨大猫こと『新宿東口の猫』。ずっと見ていたくなるような”究極の可愛い”を放映した「クロス新宿ビジョン」が今年7月で2周年を迎えた。
東京・新宿駅東口広場では誰もが立ち止まり大型ビジョンに心奪われたはず。さらにはSNSでも拡散され、一躍その場所は絶大な宣伝効果を有するスポットとして知られることに。
参考・画像:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000082647.html
多くの人が、3D巨大猫をきっかけに屋外広告(OOH)の威力を痛感したことだろう。ネット広告の成長著しい時代だが、街中で目にする屋外広告が再度注目を集めている。
市場調査レポートの販売などを手掛ける株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、世界の屋外広告市場は2021年~2026年に緩やかな成長を示すと予想。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001014.000071640.html
また、今年に入ってから外出機会が増えたことで屋外広告業界はさらに盛り上がりを見せ、度々話題になっている。こだわりのデザインやコピー、演出などが見どころだが、アフターコロナも3D巨大猫のようなインパクト大の広告が次々と誕生するのだろうか?
今回、「広告巡礼」が日課で、見つけた広告はSNSで日々発信している『街中広告のスペシャリスト』加藤誠也さん(@adbrex_)に話を聞いた。
もともと、株式会社ビズパでOOHを使った集客支援や広告プラン二ングを担当する加藤さん。プロの視点から魅力的な屋外広告の秘密、未来について語ってもらった。
街中広告のスペシャリストが分析!コロナ前後の屋外広告の行方
コロナ禍を経て増加する屋外広告だが、コロナ前後で広告の種類や見せ方などに変化はあるのだろうか?加藤さんは広告の変化について大きく3つのポイントがあると話す。
「1つはコロナの落ち着きに合わせて『テキストが多い広告から写真・ビジュアル中心の広告が増えた』ことです」
「コロナ禍では企業側のスタンスや姿勢を語りかけるような内容の広告が多く、どうしてもテキストが多かった印象があります。その際、企業側が意図しない形で(広告の受け手が誤った理解をしてしまい)ネガティブイメージが広がることを防ぐため、どうしても説明が長くなってしまったのかもしれません」
「2つ目は、インフルエンサーなどの有名人を起用した広告が増えた(元に戻った)こと。タレントなどが大きく描かれた広告が増え、ファンが写真を撮って拡散するという光景をよく見るようになりました」
「そして3つ目は、個人での広告出稿(応援広告)が一気に広がったことです。応援広告とは、推しの誕生日祝いや活動を応援するために有志のファンで費用を出し合い、各所に出す広告のこと。もともと韓国で流行していた文化ですが、日本でも一気に広がった印象があります。コロナ禍で「ライブに行きたいけど行けない」、「推しに想いを伝えたいけど外出できない」等のモヤモヤを解消する手段の一つとして加速度的に広がっていきました」
そんな応援広告で最近話題のサービスもあるという。JR東日本企画の「CheeringAD(チアリングアド)」だ。電車や駅、街などに応援広告を出したい人をサポートしてくれるサービスで推し活にも最適。気になる方はチェックしてほしい。