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クリーニング店の倒産が今、過去最多ペースを記録している理由とは?

2023.08.16

自宅の洗濯機では取りにくいシミや汚れを落とし、繊細な素材の衣類も丁寧に仕上げてくれる……。そんな理由からいざという時に頼りになる街のクリーニング店だが、今、倒産が相次いでいるという。その理由はいったい何なのか?

帝国データバンクはこのほど、「クリーニング店」の倒産発生状況について調査・分析を行い、その結果を発表した。

最大で半数が「赤字」、コインランドリーの台頭も脅威に

街のクリーニング店がかつてない危機に追い込まれている。2023年に発生した「クリーニング店」の倒産は、7月までに21件発生した。既に22年通年(15件)を上回ったほか、7月までに20件を超えたのは過去20年で初めてとなる。このペースで推移すれば、過去20年で最も多かった19年通年の28件を上回り、過去最多を更新する可能性が高い。

クリーニング店はコロナ禍で甚大な影響を受けた業界の一つだ。外出自粛や在宅勤務の拡大で、スーツやワイシャツ類の注文が激減したほか、冠婚葬祭の中止でフォーマル衣装需要もほぼゼロに近い状態が続いた。そのため、コロナ直後の21年3月期は8割超が減収、赤字も最大で半数に上った。22年以降は外出制限が緩和されたものの、在宅勤務の定着もあって需要が伸び悩み、限られた顧客を他社と取り合う状態が続いた。

こうしたなか、石油やガス代の急激な値上げに直面し、ハンガーや溶剤、袋など石油製品も相次ぎ高騰。さらに年3万品目に達する食品の値上げなどで家計の節約志向が強まり、安価なコインランドリーなどに需要が分散し、収益力がさらに悪化した。その結果、「在宅勤務」「物価高」「節約志向」の三重苦を前に経営体力が限界に達し、事業継続をあきらめるケースが23年以降に急増している。

足元では、ダウンジャケットなど単価の高い冬服や、夏休み期間中の学生服需要も「節約志向で例年より量が少ない」など、需要が戻り切っていない。資材価格の上昇も、客離れを懸念して値上げが「一部しかできない」といった声もあるなど我慢比べの状態が続いており、経営体力に乏しい中小クリーニング店で「あきらめ倒産」がさらに増加する可能性がある。

<調査概要>
集計期間:2023年7月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい

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