『Apple Vison Pro』が話題の中心となった「WWDC2023」だが、同時に発表された新型デバイス、アプリのアップデートのニュースも見逃せない。テックYouTuberのイマムラケンタさんが、それぞれの注目ポイントをチェックし、その使い勝手を検証した。
アプリのアップデートは粒揃いで期待できる
まずはハードウェアから見ていきたいと思います。表示領域を拡張し、サウンドクオリティーを高めたのが『15インチMacBook Air(以下MBA)』です。これまで13インチを超えると『Mac Book Pro』の選択しかなかったので、存在意義はあります。僕はYouTubeにアップする動画を「M2 MBA」の13インチで編集していますが、4K動画を同じタイムラインに2本並べても快適に作業ができる性能を備えています。M1搭載のMBAからの乗り換えには最適です。
Macシリーズの新作が「M2 Ultra」を搭載した『Mac Pro』と『Mac Studio』。いずれも〝ほんの一握りのプロ中のプロ〟のためのもので、一般ユーザーでは使い道に困るほどのオーバースペックです。現時点のMacの頂上をアピールするプレゼン用マシンといえそうです。
続いては今秋予定されているアプリケーションのアップデートをチェックしていきましょう。「macOS Sonoma」では、「Safari」の、同じアカウントでログインができて、仕事用とプライベート用にプロファイルを切り替えられる機能が一番気に入っています。サイドバーを開くことなく、デスクトップにウィジェットを配置できる機能もタイパにつながると思います。会社の会議に使えるかどうかは社風次第ですが、ビデオ会議機能にある花吹雪やハートマークを、ジェスチャーで画面表示できるリアクション機能は使ってみたいですね。家のテレビでオンライン会議を可能にする『Apple TV 4K』の「tvOS 17」は、ビジネスより家族単位のビデオパーティーに使えそうです。もうひとつ、『AirPods』アプリのアップデートは、一日中、イヤホンを最適な状態にしてくれるものです。インパクトは弱いものの、サラッと使用感を向上させてくれるのもアップルの魅力ですね。
テック系ユーチューバー
イマムラケンタさん
1993年生まれ。東京都在住のガジェット/テックYouTuber。「イマムラ ケンタ/KICS」を運営し多彩な情報を発信している。
『15インチMacBook Air』
大型ディスプレイなしで多彩な作業をこなせる
Appleシリコンの「M2」チップを搭載した15.3インチの『MacBook Air』。13インチ(M2)モデルに比べ、Liquid Retinaディスプレイの表示領域が広がり、スピーカーは4基から6基に増えて音質もアップした。19万8800円~(発売中)。
薄さは11.5mm、重量は約1.51kg。MagSafe 充電に対応し、Thunderbolt ポートを2基、3.5mmヘッドホンジャックを1基用意する。
広く鮮やかなディスプレイ。ミッドナイト、スターライト、スペースグレー、シルバーの4色を展開する。
13インチ(左)と並べるとサイズ差は一目瞭然。薄型・軽量でモバイル性も確保されている。
2つのツイーターと2セットのフォースキャンセリングウーハーで低音再生や臨場感が高まった。
〈イマムラ’s comment〉どこにいても編集作業ができる
画面が大きくなり、外出先での動画編集がはかどるだけではなく、自宅でも、大型ディスプレイにつながず、ソファに座ったまま作業を進められますね。
『Mac Pro』
Macのプロクリエイター向けモンスターマシン
『Mac Pro』のCPUがついにインテル製からアップルシリコンの「M2 Ultra」へチェンジ。24コアCPU、76コアGPUと並外れたパワーを備え、7つのPCle拡張スロットにより完全自分仕様にカスタマイズもできる。104万8800円~(発売中)。
アップルシリコン最速の「M2 Ultra」は、「M2 Pro」の2倍の処理速度を実現する。発熱も大幅に抑えられたはずが、ボディーは放熱性を高める穴をフロントに設けたインテル時代のものが流用された。
Thunderbolt 4ポートが8基搭載され最大6台のPro Display XDRに同時出力が可能。USB-Aポートを3基、8K、最大240Hzのフレームレートに対応するHDMIポートを2基搭載する。
〈イマムラ’s comment〉Macの技術力を高らかにうたう
レンダリング時間が大幅に短縮されますがこの性能を必要するのは誰か、『Mac Studio』(M2 Ultra)と同じ性能でなぜ31万円も高いのか、謎が残ります。
オーバースペックだが設置性は抜群『Mac Studio』
フットプリントはMac miniと同じ19.7×19.7cm。一般のクリエイターなら「M2 Ultra」ではなく「M2 Max」で十分すぎる性能を持つ。29万8800円~(発売中)。
macOS Sonoma
ウィジェット配置に対応、Safariも刷新
「ウィジェット」がデスクトップに配置でき、『iPhone』からMacに追加も可能。ビデオ会議機能は紙吹雪などを表示するリアクション機能もある。Safariのメジャーアップデート、ゲームモードの導入など内容はてんこ盛りだ。今秋アップデート。
ウィジェットのパーソナライズによって、アプリへのアクセスを効率化。さらにアプリの作業中は、ウィジェットが壁紙に自然に溶け込むため、ユーザーはタスクに集中できる。
ビデオ会議中、共有データ上にユーザー表示が可能。花吹雪やハートを使ったリアクション機能もユニークだ。
新しいSafariでは、Safariウェブページを、右クリックでウェブアプリとして追加できる便利な機能が追加された。
CPUとGPUでゲームに最も高い優先性が確保される「macOS Sonoma」のゲームモード。動きがなめらかで、より一貫したフレームレートにより最適化されたゲーム体験ができる。
〈イマムラ’s comment〉Webサイトをアプリ化できるWebAppが秀逸
Safari17に実装されたWebページをネイティブアプリ化できるWebApp機能はとても便利。アプリとしてDOCなどに常駐させておけばワンクリックで起動ができます。
『AirPods』
環境に合わせて最適化
外音取り込みとアクティブノイズキャンセリングを備えたリスニングモード「適応型オーディオ」を搭載。パーソナライズされた音量、会話感知という新機能も揃う。今秋アップデート。
適応型オーディオにより、変化する環境に合わせてノイズコントロールをシームレスに調整する。
背景ノイズを抑え、音楽などの音量を下げながら、目の前の人の声が大きく聞き取れるようになる。
本体軸部分を押すと自分の音声のミュート&ミュート解除可能。マルチタスクが簡単にできる。
〈イマムラ’s comment〉イヤホンが最適解を導き出す
モード切り替えを自動化し外音取り込みとノイズ調整を行なうため、ユーザーが無意識に新機能を使えます。次のステップのオーディオ体験といえます。
『Apple TV 4K』
大型テレビでビデオ会議
『iPhone』『iPad』のカメラとワイヤレスで連携できる新FaceTimeアプリに対応した「tvOS 17」。テレビの大画面でビデオ通話やフィットネス、ゲームといったオンラインアクティビティーを楽しめる。今秋アップデート。
参加者が動き回っても、部屋にいる全員を常にフレーム内に完璧に収めてくれるセンターフレーム機能。リラックスできるので会話も弾む。
〈イマムラ’s comment〉大人数でも顔がしっかり映る!親族の集まりにも最適
『Apple TV 4K』と『iPhone』か『iPad』があれば、家の大型テレビでオンライン会議やオンライン飲み会、同窓会などができます。テレビによる電話体験というのもおもしろいですね。
取材・文/安藤政弘
ピカチュウの表紙が目印!DIME最新号の特集は「ポケモン超進化論」「アップルのシン戦略」、付録はネックバンド型扇風機!
DIME9・10月合併号の特別付録は、いつでもどこでも使える!ネックバンド型扇風機!!
音楽フェス、スポーツ観戦のほか、通勤、散歩、買い物、外回り、キャンプ、農作業、趣味の時間まで、真夏でも涼しく快適に過ごすことができる超便利グッズ。風量を3段階で調節できるほか、弱モードで約7時間、中モードで4時間、強モードで1.5時間使用可能です。猛暑が予想される今年の夏は、このネックバンド型扇風機を活用して少しでも涼しく快適に過ごしてみてはいかが?
※電池のフタが固くて開けにくい場合は、DIMEの公式サイト「@DIME」をご覧ください。
大特集は「世界に羽ばたく!ポケモン超進化論」!Snow Man 深澤辰哉、武藤十夢、松丸亮吾、GENERATIONS 小森 隼、土佐兄弟のポケモン愛を大公開!【ゲーム】【アニメ】【音楽】【アート】【教育】【地方創生】バーチャルとリアルの融合でエンタメ新時代を切り開く超人気コンテンツの秘密を360度徹底解剖します!!
ほかにも「アップルのシン戦略」「目覚めスッキリ!超快眠グッズ44」肝臓専門医がおいしくお酒を飲むヒントを指南する真夏の「肝トレ」マニュアルなど、総力取材でどこよりも情報を詰め込んだ雑誌となっています。※一部の主要オンライン書店は完売しております。お近くの書店、コンビニでお買い求めください。
■第1特集
Snow Man深澤辰哉、武藤十夢、松丸亮吾、土佐兄弟、GENERATIONS小森隼が語るポケモン愛も大公開!
ポケモン超進化論
世界中にファンを擁するポケモン。ゲームから産声を上げ、アニメやカード、スマホゲームなど様々なジャンルの壁を飛び越えてファンダムを拡大してきた。そんなポケモンはこれまでどんなトレンドを発信し、新しいカルチャーを生んできたのか。ポケモンが次に見据える新戦略にDIMEならではの360度視点で深く切り込む!