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「Apple Vison Pro」はスマホ以来の発明品なのか?

2023.08.26

空間コンピューター『Apple Vison Pro』が超デジタルな日常の未来へ導く

編集部 スマホ以来では!? というほど、世界中に注目されるデバイスが発表されました。実機を体験した西田さんはどこにすごさを感じましたか。

西田 『Apple Vision Pro』は、現実の風景から生成した映像にコンテンツを映し出すのですが、装着して2分ぐらいたつと、肉眼で見ているかのように感じるタイミングがくるんですね。ほぼほぼ〝見たまま〟なんですよ。ここが圧倒的にすごいと感じた部分です。

久保田 海外メディアを含め、一様に『Apple Vision Pro』は高評価ですよね。HMDでここまで賞賛されたケースは記憶にないですね。

西田 もちろん、肉眼で見たものと100%同じとは言いません。解像度は低いし、色も少し薄い印象です。でも、今まで様々なHMDを試してきたものの目線でいうと、HMDを装着したまま生活することに、ここまでリアリティーを感じたのは初めてでしたね。つけていることに違和感や不自然さがなく、映像に歪みもないので、装着しながら歩いても机にぶつかるようなことはない。ものすごく、当たり前のことなのですが、その〝当たり前〟が、ほとんどのミックスドリアリティーではできなかったと思います。

『Apple Vison Pro』見慣れた空間にアイコンを表示。視線を向けるだけでもアプリをブラウズできる。

編集部 アップルでは『Apple Vision Pro』をVRではなく、「空間コンピューター」と呼んでいます。

西田 私たちは現在、スマホやテレビ、PCモニターといった板状のディスプレイの枠の中だけに映像を表示していますが、板の中に映像を描くのではなく、自分が見ている世界に映像を投影できるのが「空間コンピューター」です。『Apple Vision Pro』に映し出された空間全体がディスプレイとなるので、空中や部屋の中に、文章やファイルをたくさん置けるようになります。コンピューターではなく、ディスプレイが新しくなると考えれば、より理解しやすいかもしれません。

編集部 ディスプレイがいらない時代がやってくるということでしょうか。

西田 そうともいえますね。空間のすべてがディスプレイになったら、画面サイズを自由に変えられ、壁をアイデアを書くために使ったり、いろいろな資料を置いておくスペースにもできるわけです。

久保田 私のデスクには視界をふさぐ形で32インチと27インチのモニターを置いています。これと同じような使用感ならば机の上もスッキリして、作業環境が快適になりますよね。今まで、VRは仕事の中でも、特定のユースケースだけで使っていますが、自分の手元にあるディスプレイを見ながら、仕事をすることができるようになるかもしれないですね。

『Apple Vison Pro』奥行きある写真や動画を撮影できる3Dカメラ。既存のファイルも立体的に再現される。

編集部 機能はどうでしょうか。

西田 多様な新機能が充実する中、私が感心したのは、装着した際の画質の良さですね。メガネ状のディスプレイやHMDで映画が観られる製品は珍しくありませんが、『Apple Vision Pro』は、ホームシアターの代わりに使っても遜色がないぐらいクオリティーが高く、3D映画も楽しめます。他社のようなゲーム用に特化したHDMではないので、コンピューターと高画質なホームシアターの双方を買うと思えば、3499ドル(約49万円)は、決して高額ではないと思いますよ。

久保田 完全3Dを打ち出すような、派手な見せ方をしていないため、機能としては控えめな印象を受けました。ただ、今後アップルのキラーコンテンツになり得る可能性を感じたのが3D写真&動画の撮影機能ですね。HMDを、現実をキャプチャーするデバイスとして使うアイデアは斬新でおもしろい発想だと思いましたね。

西田 確かにそこはとても重要な機能ですね。『Apple Vision Pro』で撮影した動画を見ましたが、これは本当にリアリティーがあって、映画『スター・ウォーズ』に出てくる、レイア姫のホログラフィーのような立体写真を実現しています。憶測ですが、いずれ『iPhone』や『iPad』にも搭載されるのではないかと思います。

『Apple Vison Pro』コンテンツを最適なサイズに拡大・縮小が可能。理想的な仕事空間を実現する。

編集部 今秋、メタの『Meta Quest3』が発売されますが、ライバル関係になると思いますか。

久保田 ターゲットユーザーが異なっていますし、VR市場を『Apple Vision Pro』がひっくり返すことはしばらくないと思いますね。ただ一方で、世の中的に〝結局、流行らないだろう〟といわれるウェアラブルの領域へ、卓越したUXデザインを持つアップルが参入したことに期待はしています。この分野で何年もやっていくというのは明らかなので、業界にとっても追い風になっているとは感じますね。

編集部 『Apple Vision Pro』を見た時に、アニメ『電脳コイル』の「電脳メガネ」を連想しました。『Apple Vision Pro』が進化すれば、夢に見たSFの世界が実現すると思いますか?

西田 それはまだまだ先かもしれません。個人的には、キーボードとマウスといった人間の操作を必要としないデバイスに進化してくれるとうれしいです。AIも急成長していますしね。

久保田 2016年にマイクロソフトの『ホロレンズ』が出た時に、開発者の多くが「これは電脳メガネだ」と盛り上がっていたのを思い出しました。『Apple Vision Pro』が「電脳メガネ」のようになるにはまだ10年以上かかるとは思いますが、理想とか夢に描いていたものが今後、社会実装されていく過程で、何が起こり、何が出てくるか楽しみにしています。

『Apple Vison Pro』つまむようにタップすることで選択、手首を上下左右に動かすことでスクロールが可能。

西田宗千佳さんフリーライター/ジャーナリスト
西田宗千佳さん
大学在学中より執筆活動を開始。『メタバース×ビジネス革命』(SBクリエイティブ)などの書籍制作に携わるなど、最新のIT潮流などにも造詣が深い。幅広いメディアで活躍中。

久保田 瞬さんMogura VR編集長
久保田 瞬さん
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。ECベンチャー勤務を経て、VR/AR/メタバースの専門メディア「Mogura VR」の編集長および代表を務める。

取材・文/安藤政弘

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