森ビルは、およそ35年かけて開発を進めてきた「麻布台ヒルズ」(⻁ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業)が2023年11月24日に開業すると発表した。
「麻布台ヒルズ」は、“Modern Urban Village〜緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街〜”をコンセプトに、“Green & Wellness”人々が自然と調和しながら、心身ともに健康で豊かに生きることを目指す街。
約8.1haの広大な計画区域には、約2万4000平方mの圧倒的な緑が広がり、延床面積約86万1700平方mの空間に、オフィス、住宅、商業施設、文化施設、教育機関や医療機関など、多様な都市機能が集積している。
なお一部施設は2023年12月以降、順次開業予定となっている。
広場、緑とサステナビリティ
(C)DBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills 奈良美智《東京の森の子》 2023年
圧倒的な緑の創出
「麻布台ヒルズ」は、高低差のある地形を生かして、低層部の屋上を含む敷地全体を緑化することで、都心の既成市街地でありながら、約2万4000平方m(約7,200坪)もの緑地を確保。
ヘザウィック・スタジオのデザインによる低層部のダイナミックな建築物と緑が美しく調和し、街全体が緑に包まれた豊かな環境を作り出す。
多種多様で、人の営みと関わる緑
敷地内には約320種の多様な植物を配し、果樹園や菜園など、人の営みと関わる緑も積極的に使用した。
果樹園や菜園では、ブルーベリー、レモン、モモなど11種の果樹をはじめ、ハーブやエディブルプランツなどを育てる。
また34種の在来植生を中心に構成された桜麻通りでは、野山を散策するように四季の移ろいが感じられるほか、街全体に開花時期の異なる桜を植え、春には2月のカワヅザクラから、4月のソメイヨシノやヤマザクラやシダレザクラ、5月上旬のフクロクジュやカンザンなどの八重桜まで、多彩な桜を⻑く楽しむことができる。
街のシンボルとなる「中央広場」
街の中央、約6000平方m(約1,820坪)の「中央広場」は、人々の交流や憩いの場となるオープンスペースで。
へザウィック・スタジオがデザインしたユニークな大屋根「The Cloud」がかかる「麻布台ヒルズアリーナ」は、イベントなど街の賑わいの中心だ。また、隣接する芝生エリアはパブリックアートが点在しアートを身近に楽しめる豊かな空間となる。
サステナビリティの推進
「麻布台ヒルズ」では、都市づくりにおけるサステナビリティも推進する。
街全体で「RE100」に対応する再生可能エネルギー電力を100%提供するなど脱炭素や資源循環を推進。国際的な環境認証プログラム「LEED」の2つのカテゴリにおいて最高ランクとなるプラチナ認証も取得予定だ。
慶應義塾大学予防医療センター〜「社会全体で健康をつくる」という挑戦
「麻布台ヒルズ」に移転する「慶應義塾大学予防医療センター」は、2012年の開設以来、一人ひとりの人生と共に歩むことを大切にしながら、全ての人がいつまでも健康で充実した豊かな毎日を過ごせる社会の実現を目指してきた。
移転後も、最新の医療機器と高い専門性を持つ大学病院のスタッフによる高精度な人間ドックで疾患のリスクを早期に発見するとともに、個別化する受診者のニーズに応じた最適な健診プログラムを展開。移転に伴う施設の拡張により混雑状態を緩和し、より多くの方々に快適に受診いただける環境も整備する。
ブリティッシュ・スクール・イン 東京〜都心最大級のインターナショナルスクール
(C)Heatherwick Studio
「麻布台ヒルズ」では、都心にありながら豊かな環境で“学ぶ”ための学校として、都心最大級の生徒数を誇るインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」が2023年8月30日に開校。
「都心にありながら、緑豊かな自然を感じられる環境の中で、のびのびと子供たちを育みたい」という学校側の想いと、森ビルのビジョンが合致し、実現した。
創立34年目の歴史を有し、英国式の教育カリキュラムを提供する同校は、60ヵ国以上の国籍の生徒が在籍する、国際色豊かな学校だ。豊かな自然を感じられる環境の中、国際感覚に優れた、未来を担う子どもたちを育む。
アート&ギャラリー〜現代アートからエンターテイメントまで多様な文化を世界に発信
森ビルは、「都市には経済活動を支えるだけではなく、豊かな都市生活を実現するための文化的魅力が不可欠である」との強い想いから、「文化」を最も重要な要素の1つとして都市づくりに取り組み、ヒルズごとに個性的な文化施設を開設してきた。
ウェルネスへの意識が高まってきたいま、文化やアートは、人々の暮らしを心豊かなものにするものとして、より都市生活にとって大切な存在となっている。
「麻布台ヒルズ」では、「街全体がミュージアム」をコンセプトに、総施設面積約9300平方m(約2820坪)のデジタルアートミュージアムとギャラリーを中核として、オフィスや住宅、ホテルのロビーや広場など、街のあらゆる場所にパブリックアートを設置し、芸術・文化が一体となった街を創出していく。
商業施設〜新しい体験や楽しさを提供して都市生活を豊かに
(C)CDBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills
“Green & Wellness”という街全体のテーマに沿い、都心の真ん中にありながらも、圧倒的な緑に包まれた環境の中に、ファッション、フード、ビューティー、カルチャー、アート、ウェルネスなど、約150店舗が集結。
暮らす、働く、訪れる、全ての方に買い物だけではなく、新たな体験価値を享受できる豊かなライフスタイルを提案していく。
「中央広場」の地下には、約4000平方m(約1200坪)を誇る大規模なフードマーケット「麻布台ヒルズマーケット」が誕生。
厳選された食材や東京の豊かな食文化、美味しく健康的なライフスタイルの提案を食の本質的な豊かさや楽しさを提供していく。
さらに、マーケットの出店専門店とともに商店会をつくり、他施設やプロジェクトとも協業してラボ活動を行なうことで、学びや体験・コミュニケーションを通したウェルネスで豊かな暮らしの創出に貢献。
「森JPタワー」に位置する「タワープラザ」には、ファッション&ライフスタイルのショップや様々なジャンルの飲食店が集結。
低層部の「ガーデンプラザ」には、ラグジュアリーブランドや開放感あふれるテラス付きのカフェ、日本トップクラスのハイエンドなレストランなどが集まり、街全体で約150店舗・店舗面積約2万3000平方m(7000坪)となる新たな商業施設が誕生する。
麻布台ヒルズ マーケット
(C)CDBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills
中央広場の地下には、施設面積約4000平方m(約1200坪)を誇る「麻布台ヒルズ マーケット」が誕生する。
世界に誇れる文化である日本の食は、自然や季節と密接に関わり、素材、調理法、器や盛り付けによる変化を楽しみながら、各国の食文化とも融合し発展してきた。
この食文化を更に発展させていきたいとの想いのもと、日本を代表する31の専門店が集結した。
広々とした空間には、生鮮三品から惣菜、グロッサリー、ワイン・リカー、ベーカリー、スイーツ、フラワーなどの専門店が並び、名店にしか流通しない希少な食材や、国内外から集まる高質な食材、素材だけでなく半調理品、質の高い加工品、日々の食卓を彩る惣菜や出来立ての美味しさを提供するバイオーダー品などが揃う。
また、出店する専門店とともに商店会をつくり、麻布台ヒルズ内外の店舗やシェフ、学校や企業などとも協業しラボ活動を進めていく予定だ。