「中途採用されたけど放置プレイされている……」
「採用面接では、あんなに入社を熱望されたのに!」
せっかく希望の会社に転職したのに、仕事がなく、どうすればよいかわからない人もいるのではないでしょうか。忙し過ぎるのは心身に負担がかかりますが、暇すぎるのも辛いですよね。
今回は、中途採用者が放置される理由や、状況改善のためにとるべきアクションを紹介していきます。
「もう転職する!」となる前に、ぜひ目を通してみてくださいね。
中途採用者が放置される理由3つ
そもそも、どうして会社は中途採用者を放置しているのでしょうか。入社して間もないのであれば、能力不足と判断して仕事を与えないわけでもないでしょう。
放置している間にも給料を払う義務はありますし、もし転職エージェント経由で採用したのならコミッションだって支払っているでしょう。理由なく放置することはないはずです。
会社が中途採用した人を放置する理由を挙げていきます。
1. 教育する時間がない
即戦力として入社した人であっても、入社してすぐの頃は教育やフォローが必要です。体系立てて業務フローや社内のルールなどを伝えるためには、教える側もそれなりの準備が必要になります。多くの場合、自分の仕事はいつも通り行い、プラスして教育するための時間を確保しなければならないでしょう。教える側が、チームが、このプラスの時間を作ることができない場合、新人は放置プレイ状態になるのです。
人手不足だから人を採用したはいいが、教育する余裕がない。このような組織は少なくありません。
2.歓迎していない
最もあってほしくない理由ですが、入社を歓迎されていない可能性もあるでしょう。社会全体では転職が珍しくなくなったとはいえ、中途入社は少数派で、昔からいる人たちと差をつけられている会社もあります。
また、「優秀な人が入ってくるらしい」といった噂を耳にし、面白くないと感じている人もいるでしょう。また、上層部や人事とは歓迎していても、現場のメンバーはそうでもないというケースもあるかもしれません。
さまざまな事情があるにせよ、会社全体で仲間として迎えることを決めたなら、既存メンバーは新人を歓迎するべきでしょうが、そうはいかない組織もあるのでしょう。
3.様子見をしている
自主的に動こうとする人か。逆境ではどのような行動を起こす人なのか。あえて中途採用者を放置して、様子見をしている可能性もゼロではありません。ただし、これらは採用を決める前にチェックしておきたいこと。放置時間が長いようであれば、やはり教育する余裕がない、もしくは歓迎されていないだけなのかもしれません。
放置されている間、改善のためにとるべき3つのアクション
「放置されている」と感じたら、一体どうすればよいでしょうか。入社したばかりの人ですから「時間がたくさんあってラッキー!」とはならないはず。具体的にとるべきアクションを紹介します。
1.いつでも仕事ができる状態であることをアピールする
まず自分がいつでも仕事ができる状態であることを、直属の上司や教育係に任命された人に伝えましょう。もしかしたら、その人たちは忙しすぎて、あなたが放置されていることに気づいていないかもしれないからです。
ただし、「仕事をください」を繰り返すと、仕事を与えられることを待っているだけの状態になります。
「できることがありましたら、いつでもお声がけください。その間は自分で〇〇を勉強しています」など、自分でも仕事を見つけようとしていることを伝えるようにしましょう。
2.みんなが後回しにしていることを率先して行う
対応できる仕事がない場合は、「時間がないから」とみんなが後回しにしていることを自ら手をあげて担当しましょう。チーム内の会議やチャットで、そのような会話がされていないか、チェックしてみることをおすすめします。
それらの業務を担当することで、あなた自身も多くのことを学べるでしょうし、周りにもあなたという存在を印象付けることができます。
3.挨拶を積極的にする
「あまり歓迎されていないようだ……」と感じるときは、挨拶を積極的にすることで、メンバーと良好な関係を構築するところからはじめましょう。
「挨拶なんて当たり前」と思うかもしれませんが、「〇〇さん、お疲れ様です」「××さん、ありがとうございます」と相手の名前を一緒に口にするようにすれば、「新人なのに名前を覚えてくれているんだ」など、良い印象を抱いてくれる人も出てくるでしょう。
相手に受け入れてもらいたいのなら、まずは自分からオープンになること。挨拶を通して、一つひとつ関係を築いていきましょう。
もう耐えられない…!転職してもいい?
中には「こんなはずではなかった!もう転職したい」と思っている人もいるでしょう。
心身に影響が出ている場合は別として、「入社したばかりですぐ転職」はあまりおすすめできません。次の転職活動ですぐ辞めた理由を聞かれた場合、「入社後、ずっと仕事を与えられず、放置されていたからです」では、相手を納得させることが難しいからです。
まずは今回紹介した行動を起こしてみること。そして直属の上司に「このような状況にあることを自分は真剣に悩んでいる」ことを伝えましょう。
それでも改善が見られない場合は、原因は組織にあると考えられます。あなただけが頑張ってもどうにもならないと考えられるので、転職を検討してみてもよいでしょう。
文/やまさん
保有資格:キャリアコンサルタント(国家資格)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー(日本キャリア開発協会)