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8月31日から2号機が就航、ポケモン社と航空各社が空旅需要を喚起する舞台裏

2023.09.04

ピカチュウジェット

6月4日、ポケモンがラッピングされたANAの「ピカチュウジェットNH」が羽田空港からバンコクへ向けて出発した。これは「そらとぶピカチュウプロジェクト」の一環で、国内外の航空会社6社が参画。その概要を詳しく紹介する。

鳥海高太朗

 ANAは1998〜2016年にわたり、有償ライセンスの取り組みで「ポケモンジェット」を運航していた。今回はプロジェクトに参画して「ピカチュウジェットNH」を就航させることで、7年ぶりにポケモンがANAとともに空を飛ぶことになった。

 ANAが参画した狙いについて担当者に話を聞くと「人と人、人と地域をつなぐことで、旅の楽しみをお届けする」というコンセプトに共感したことが理由だという。「コロナを経て、お客様が安心して空の旅へ出かける世の中が戻ってくるタイミングの中、ピカチュウジェットとともに世界をつなぐ心の翼として、旅の楽しさとワクワクを提供したい」ということで、導入を決めたそうだ。

 コロナ禍で航空業界は安全を第一に、大幅なコスト削減に迫られており、本来であればこのようなラッピングはコスト的に難しい状況にある。しかし今回は、株式会社ポケモンがデザインに関わる費用だけでなく、ロイヤリティー(使用料)も不要にしたことで、導入しやすい状況となった。

 機体の右側と左側で異なるデザインになっており「リザードン」「ラティアス」「ラティオス」「ビビヨン」といった空を飛ぶポケモンたちが、ピカチュウとともに機体にラッピングされている。エンジンの内側にもポケモンが描かれており、機体は丸ごと特別仕様。タイミングが良ければ、機体に搭乗せずとも羽田空港の展望デッキからチェックできそうだ。

 今回の特別機は6月4日から約5年間という長期間運航される。主に羽田発着の東南アジア路線(バンコク、シンガポール、ジャカルタ、マニラ、ホーチミン、デリー)、シドニー線、バンクーバー線、ホノルル線に投入される。

 スカイマーク、チャイナエアライン(台湾)、スクート(シンガポール)、ティーウェイ航空(韓国)、そして現在は未就航のガルーダ・インドネシア航空(インドネシア)も同プロジェクトに参画。ぜひ利用してみてはいかがだろう。

そらとぶピカチュウプロジェクトとは?

株式会社ポケモンが新型コロナで大きな影響を受けた航空・観光業界の力になりたいという思いから立ち上げた。人と人、人と地域をつなぐことで、旅の楽しみを届けることを目指す。機体デザインなどに関わる費用を株式会社ポケモンが負担する。

そらとぶピカチュウプロジェクト

KOTARO’s EYE(1)塗装は台北で2週間半かけて実施!

塗装は台北で2週間半かけて実施!

塗装作業は台湾の台北・桃園空港にあるEGAT社で整備作業とともに行なわれた。筆者が取材した際はマスキングシールを剥がす作業が行なわれ、機体に描かれた「ピカチュウ」がお披露目された。

KOTARO’s EYE(2)機内のヘッドレストもおもてなしも特別仕様

機内のヘッドレストもおもてなしも特別仕様

ANAが運航する「ピカチュウジェットNH」の機内に入ると、ANAカラーの青で統一された特製ヘッドレストカバーがお出迎え。客室乗務員のエプロンも同機内のみで着用するオリジナル仕様で各種サービスが行なわれるほか「ANAオリジナル バスポンチョ」なども機内販売で購入できる。

KOTARO’s EYE(3)8月31日からは2号機も就航へ!

8月31日からは2号機も就航へ!

さらに8月31日から「そらとぶピカチュウプロジェクト」の2号機目として、「イーブイ」と、その進化形のポケモンがピカチュウと一緒に未来へ向かって力強く前進していく姿を機体に描いた「イーブイジェットNH」が就航する。機内の特別仕様だけでなく、こちらも要チェックだ。

取材・文/鳥海高太朗

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