今年の夏、『Pokémon Sleep』がついに公式リリースされた。「睡眠をゲームにする」という新たな挑戦は私たちに何をもたらしてくれるのだろうか。また、いまだ謎に包まれていたポケモンたちの寝顔も判明!
『Pokémon Sleep』とは?
2023年7月下旬にリリースされたスマートフォン向けアプリ。2019年にタイトルが公開され、2023年2月のPokémon Presentsにて今年リリースされることが発表された。「睡眠ゲーム」というこれまでにはなかった新しいジャンルを開拓している。
ポケモンたちが、私たちのよりよい睡眠をアシスト
2016年にリリースされた『ポケモン GO』はゲームとしての楽しさを提供するだけでなく、多くの人のライフスタイルにまで影響を与えた。ゲームをプレイすることが「歩く」ことへの動機づけとなり、同時に外の世界を見るきっかけにもなった。そのポケモンが次に仕掛けるのが「睡眠」だ。『Pokémon Sleep』ディレクターの小杉要さんに話を聞いた。
「日中は『ポケモン GO』で身体を動かし、夜は『Pokémon Sleep』でいい睡眠をしてもらうというのが、『Pokémon Sleep』のテーマのひとつです。そのため、『ポケモン GO』と同じく、世代を問わず、遊びやすいゲームになっています」(ポケモン・小杉要さん)
睡眠とゲームを掛け合わせるという試みについて次のように続ける。
「睡眠は基本的に1日1回しか行ないません。それをインプットにすると、1日1回、さらに朝にしか遊べないゲームになる。一方で、1日1回必ず行なうものとも考えることができます。だからこそ、『Pokémon Sleep』は、『ポケモン寝顔図鑑』を完成させるというゴールはありますが、毎日、寝る前と起きた後、少しずつ遊んでいくゲームとしてデザインしています」(小杉さん)
〝ゲームをプレイしたいタイミングでがっつり遊ぶ〟という既存のゲームとは楽しみ方そのものが大きく変わりそうだ。「寝顔図鑑」を集めるために睡眠を変える必要はあるのだろうか。
「その日の睡眠状態によって『うとうと』『すやすや』『ぐっすり』の3タイプに分類され、それにより現われるポケモンも変わります。この3つのタイプは自分の睡眠から相対評価によって分類するので、続けていれば必ずいろいろなポケモンに出会えるようになっています。『うとうと』と聞くと〝眠りが浅い、悪い睡眠〟とイメージするかもしれませんが、そうではありません。睡眠はこの3つのサイクルによって構成されており、それぞれの睡眠に役割があります。また、『徹夜をする』など、わざと睡眠サイクルを壊すことで狙ったポケモンを出現させることはできないようになっています」(小杉さん)
いい睡眠ができれば日中の活力になり、日中にたくさん活動ができればいい睡眠につながる。遊びながら理想の生活習慣を手に入れられるゲームが発表から4年の時を経て始動する。
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「睡眠」がテーマのゲームだからこそ、ユーザーがあえて〝やりこめない〟バランスを作ったなどのゲーム開発の裏側、「企画の強度の作り方/クリエイターとの併走/前例のないものへの挑戦」の3つの視点から紐解く『Pokémon Sleep』の成功のワケを開発担当者に直撃取材!