会社の経営方針を体現していた人気キャスター
檜山沙耶さんが入社したのが2018年7月。2019年から担当する番組が増え始め、2020年9月に「ウェザーニュースLiVE・ムーン」を担当。ここから昼夜の時間帯を担当するようになりました。奇しくも、ウェザーニューズが会社としてウェザーニュースの露出を増やそうとしていたタイミングです。
広告効果もあり、2020年5月期からはモバイル・インターネット気象の売上高が毎期約10億円ずつ積みあがるという好調ぶりを見せるようになりました。
経営陣にとって、このタイミングでアイドルキャスターが誕生したことは、願ってもない幸運だったでしょう。
今回の交際報道は痛手になるようにも見えますが、ウェザーニューズはモバイル・インターネット気象事業において予報精度No.1ブランドを確立でき、売上増に繋げることができたと、ここでまた一区切りつけました。
そして次の経営計画で、SaaSモデルによる新たな顧客層の開拓を掲げています。法人向けの新サービス「ウェザーニュース for business」で、法人専用にカスタマイズした気象情報アプリをリリースしたのです。
檜山さんは会社の経営方針とドンピシャのタイミングで人気化し、成長投資に一区切りつけたタイミングでファン離れを引き起こすという、事業戦略を体現するかのような不思議な縁で結ばれていました。
炎上騒動は一部のユーザーの離反を招き、業績に何らかの影響を与える可能性はあります。しかし、新サービスの展開を始めたことや、盤石なBtoBビジネスに支えられていることから、会社全体に脅威を与えるものにはならないでしょう。
取材・文/不破 聡