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過去10年で年間の売上高100億円を突破した企業は1823社、うち非オーナー企業が7割

2023.08.08

中小企業庁の「中小企業の成長経営の実現に向けた研究会」が6月22日、「中小企業の『100億企業』への成長を目指す」というテーマで中間報告を発表した。

ポストコロナの成長戦略、経済回復や賃上げの主役となる「100億円企業」の実態に注目が集まる中、帝国データバンクでは、保有する企業概要ファイルCOSMOS2(147万社収録)の中から、過去10年間で年売上高が100億円を突破した企業を抽出して分析。結果をグラフや図表にまとめて発表した。

100億円突破企業の特徴 ~非オーナー企業が7割

直近10年間(10期)で年売上高が100億円を突破した企業は、全国に1823社にのぼることが判明した。これは国内企業全体の0.12%にあたり、およそ1000社に1社という狭き門を突破した企業であることがわかる。

100億円突破企業の年売上高伸び率を分析すると、最も多いのは年売上高が2~5倍未満となった企業で、641社(構成比35.2%)が該当する。

また、年売上高が5倍以上に伸びた企業を「飛躍的成長」企業と定義すると、1823社中17.1%にあたる312社が該当した。

100億円突破企業の資本属性を分析すると、非上場企業が1,823社中1,521社となり、83.4%を占める。ただ、社数に占める飛躍的成長企業の割合で見ると、上場企業は3社に1社が飛躍的成長企業に該当している。

外資系企業は1,823社中27社(構成比1.5%)と少ないが、3社に1社は飛躍的成長企業に該当している。

オーナー企業(代表者=筆頭株主<同族含む>)が543社と約3割にとどまり、100億円突破企業は法人等が株主となっている企業が多い。国内企業全体ではオーナー企業が7割以上を占めることから、100億円突破企業は傾向が異なる。

これらを踏まえると、100億円突破企業は法人等を株主としている企業が多く、上場企業や外資系企業が飛躍的成長を遂げやすいという傾向が判明した。

100億円規模への業容拡大には、一定の資本力が必須であり、エクイティファイナンスなど直接調達の実施が欠かせない。資本金額別で見ると、資本金1億円が291社で最多となっている。

100億円突破企業の代表者年齢を見ると、最も多いのは「60歳代」(551社)。次いで「50歳代」(491社)となった。また、飛躍的成長企業では、「50歳代」が最多で88社。次いで「40歳代」(73社)となっており、飛躍的成長企業の方が、代表年齢が若くなっている。

100億円突破企業の地域分布~「東京都」が3割占める

100億円企業の所在地を地域別に見ると、東京都を含む「関東」が825社(うち飛躍的成長企業は206社)と突出している。次いで、「近畿」(357社)、「中部」(209社)となり、商圏規模を確保できる都市圏が続いた。全企業数に占める100億円突破企業の割合(本稿では「出現率」と表記)で見ても上記3地域が上位となる。

都道府県別に見ると、社数ベースで上位となるのは「東京都」(635社)、「大阪府」(234社)、「愛知県」(110社)で、そのほかでも地方の中核都市がランクインしている。

一方で、出現率で見ると、「石川県」(出現率0.14%)、「長野県」(同0.11%)、「滋賀県」(同0.11%)が上位にランクインしている。これらの地域は、いずれも古くからの産業集積地であり、100億円突破企業の大半が業歴50年以上となっている。

また、飛躍的成長企業は3県合計で5社(66社中)にとどまることから、地域経済に根ざした企業が着実に成長を遂げ、100億円を突破したケースが多いとみられる。

100億円突破企業の業種分析 ~「卸売業」「製造業」が上位

100億円企業を業種別に見ると、最も多いのは「卸売業」の567社となった。次いで、「製造業」(379社)、「サービス業」(276社)と続く。出現率で見ると、「卸売業」(0.34%)や「製造業」(0.24%)が高い一方で、「建設業」(0.05%)や「小売業」(0.05%)、「サービス業」(0.07%)が低く、業種ごとに大きなばらつきがある。販売量に一定の“壁”があり、価格競争が激しいBtoCの業態では、100億円突破が難しい現状があると見られる。

100億円突破企業の業種をさらに細かく見ると、最も多いのは大型施設や投資用マンションなど単価の高い商材を扱う「建物売買業」(88社)となった。以下、「一般土木建築工事業」(64社)、「ソフト受託開発」(56社)と続く。

出現率で見ると、市場成長が続く半導体関連の「半導体製造装置製造」が最も高い2.25%となり、50社に1社は100億円突破企業であることが分かった。以下、相場変動により業績が膨らみやすい「鉄鋼・同加工品卸」(1.48%)、「投資業」(1.27%)、「鉄スクラップ卸」(1.20%)が続く。

年売上高100億円突破という観点で見ると、上記のように取扱量を増やすことで中間利益を確保する卸売業や、相場変動なども含めて商品単価が高くなる業態が多くなりがちではある。半面、出現率の低い業種で100億円突破企業となれば、競争力でより優位なポジションを確保できる可能性も指摘できるだろう。

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