8月のS&P500のパフォーマンス
S&P500は上場する企業の中で代表的な500社を組み入れて構成された株価指数です。
米国経済の現在地を最も正確に表した数字といえるでしょう。
1950年〜2022年4月までのS&P500の月次パフォーマンスを比較すると、8月の平均パフォーマンスは+0.07%と年で3番目に低い数字です。
そのため、季節性アノマリーに従えば今年の夏場も低調なパフォーマンスとなる確率が高いことが数字からも見えてくるのです。
こうしたデータを加味した場合、8月末のS&P500のターゲットは7月末と同程度と想定しておくことが大切ではないでしょうか。
おわりに
夏枯れ相場は米国株式市場において一般的な現象であり、投資家にとってはリスクや不確実性が高まる時期です。しかし、適切なリスク管理と長期的な投資戦略を持つことで、市場の変動に柔軟に対応することが可能です。
特に気候要因は、夏季に増える自然災害が市場に影響を与える可能性があります。
大きな自然災害は、企業の施設やサプライチェーンに悪影響を及ぼし、売上や利益に影響を及ぼすことがあります。
経済状況や市場環境は常に変動するため、投資家は常に敏感に市場の動向を監視し、適切な投資戦略を検討する必要があります。
とはいえ、筆者の経験上、夏枯れ相場のマーケットはとても難しい時期です。
実は投資戦略のなかには意図的に「何もしない」という選択肢もあるのです。
いかに夏場をやり過ごすのか、これも市場で生き残るために有効な戦略でもあるのです。
米国株のマーケット動向を考える材料として、今後もFRBの発言やFOMCの金融政策、経済データ、企業の四半期決算など、継続的に調べることが投資家として重要な要素であることは今後も変わりません。
またインデックス投資などの「つみたて投資」に関しては、マーケット動向に関わらず継続すべきです。
今回は夏枯れ相場のポイントについて解説させて頂きました。
文/鈴木林太郎