企業に勤めていると、管理職になるのはキャリアアップの1つでしょう。嬉しいと感じることが多い反面、「自分にできるのか」と不安に思う人も多くいます。
管理職になると、今までより大きな責任や成果を求められる場合がほとんどです。そこで今回は、管理職の役割と向いていない人の特徴、そして向き不向きを見極める方法について解説していきます。
管理職とは
管理職とは、職場という組織の中核を担い、仕事を進めていくうえである程度の権限を持ち、チームのメンバー(一般社員)を指揮していく立場のことを指します。一般的には部長や課長などといった役職を持つ社員が管理職とされています。
権限だけでなく、業務上で起こった問題など、チーム全体としての責任を求められるポジションでもあります。一般社員は与えられた業務を遂行するという義務を負う一方、管理職は具体的な目標を達成するという義務があります。
管理職に向いていない人の4つの特徴
管理職になることはキャリアアップであり、喜ばしいことではあります。しかし、全員が管理職として成果を出すことができるのかといえば、残念ながらそうではありません。ここでは向いていない人の特徴を4つご紹介します。
1.コミュニケーション能力が低い
管理職には、チームを同じ目標に向かわせる力が必要です。どんなに個人の業績が良くても、周囲に目を配れないようなコミュニケーション能力が低い人は管理職に向いていません。
管理職に必要な能力で特に大切なのが、コミュニケーション能力です。メンバーの連携に注力してアドバイスするのにも、メンバーの仕事がやりやすくなるように全体の環境を整えるのにも、コミュニケーション能力が必要だからです。
2.プレイヤー気質が抜けない
プレイヤーとしてチームメンバーと一緒になって仕事をしている人も管理職には向いていません。
なぜなら、管理職に求められているのは、プレイヤーではなく、メンバーに対する指導や管理を行うことによってチームとしての成果をあげていくことだからです。
自身が先頭に立ってチームを引っ張っていく姿勢も悪いことではありませんが、それよりも全体に目を配れる後ろからの視点が必要となります。
3.過去の成功体験に囚われている
過去の成功体験に囚われている人も管理職に向いていないでしょう。なぜかというと、その一辺倒の方法にばかり執着して、変化することを嫌がるからです。
管理職はその状況にあった施策を考えて実行し、メンバー全体にそれを伝える立場でもあります。
「自分のときはこの方法でうまくいった」といった観点からだけでしかメンバーにアドバイスできないとなれば、管理職には向いていないと言わざるを得ません。
4. 感情を優先する人
ミスを厳しく叱ったり、うまくいかなかったことに対しての不満などを隠しきれない人も、管理職に向いていないと言えます。
管理職の立場の人が上記のようなネガティブな感情を表に出してしまうとチームの士気は下がっていきます。また、メンバーは萎縮して意見を積極的に伝えることもなくなっていきます。
管理職への向き不向きを見極める方法
上記の管理職に向いていない人の特徴をご紹介しましたが、管理職に必要な能力はマネジメント教育や研修で伸ばしていくことも可能です。まずはここに紹介する向き不向きを見極める方法を試してみることをおすすめします。
1.先を見て仕事ができるか
管理職の仕事はチーム全体に目を配る、目標達成に向けた計画を策定するなど膨大にあります。目の前の仕事に着手するだけで精一杯になりがちですが、一般社員とは違い、それだけでは管理職の役割を全うすることはできません。
管理職として必要な能力は、未来に向けた取り組みや仕組みづくりを行えるかどうかです。先を見据えながら成果をあげるために必要なもの不必要なものが見極めることができれば、管理職に向いている可能性があります。
2.意識を自分ではなく成果に向けられるか
管理職は自分への評価よりも、チーム全体の成果に意識を向ける必要があります。管理職に向いていない人の特徴でも触れましたが、管理職はプレイヤーという意識を手放すことが必要です。
自分ではなく、チームのメンバーの活躍するための補佐役のような意識を持つことが、成果を上げられる管理職の資質1つとなります。それができれば、チームの士気は上がっていくでしょう。
3.過去の成功体験を捨てられるか
こちらも管理職に向いていない人の特徴で紹介しましたが、過去の成功体験を捨てられるかどうかも管理職の資質があるかどうかの見極めポイントとなります。
管理職になると、目標や求められる成果は年々高まっていきます。そのためには新しいことに挑戦していくことが求められます。新しいことを始めるためには、不要なものを捨てる必要があります。過去の成功体験が新しいものを吸収するときの妨げになるからです。
過去の成功体験を不要なものと切り捨てることができれば、管理職として成果をあげられるでしょう。
文・構成/藤野綾子