今年のゴールデンウィークに本格導入された「こどもファスト・トラック」制度。
これは、政府が少子化対策の一環として打ち出したもので、妊娠中の女性や子ども連れの家族が公共施設や商業施設などの受付において優先的に入場できる制度だ。
ゴールデンウイーク期間中は、東京の国立科学博物館や日本科学未来館などの施設を始め、国営昭和記念公園、運転免許窓口まで全国21か所で実施された。
政府は今後、スポーツイベントや民間施設にも導入を働きかけていくとのことだが、今年の夏休みも、そしてそれ以降もこの制度は果たして活かされるのか?
子ども優先サービスを実施している施設まとめ
そもそも、「こどもファスト・トラック」制度が誕生する以前から、子ども優先サービスはさまざまな場所で実施されている。現在行われている主なものに加え、新たに始まる予定のサービスもいくつか紹介しよう。
■ANA ・JAL(国内線) 『事前改札サービス』
車いすのご利用、2歳以下の小さなお子様連れの利用者など、お手伝いが必要な方々を対象に搭乗案内開始前にあらかじめ改札を承り、機内準備が整ったら一番最初に機内に案内されるサービス。
公式
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding/dom_info/
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/boarding/yuusen/
■JR東海 『お子さま連れ専用車両』
夏休み期間に東海道新幹線「のぞみ」の一部列車の指定席に「お子さま連れ専用車両」を 設定。期間は8月10日〜20日までの毎日。1日片道1〜3本設定予定とのこと。
公式
https://recommend.jr-central.co.jp/oyakotabi/fs/
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042822.pdf
■国立美術館7施設で子ども連れ来館者のための特別開館などを実施
夏休み時期の7月から9月にかけ、全国7施設にて「こどもファスト・トラック」を始めとする子ども連れ来館者のための特別開館等が順次実施される。
東京国立近代美術館 【Family Day こどもまっと】
8月14日(月)、9月24日(日)に「こどもファスト・トラック」(チケット購入優先、優先入館案内) を実施予定。対象展覧会は所蔵作品展「MOMAT コレクション」。
国立西洋美術館 【にぎやかサタデー】
8月26日(土)に「こどもファスト・トラック」(企画展入場優先レーン)を実施予定。全ての来館者が観覧料無料。
参考
https://www.artmuseums.go.jp/media/2023/07/PressRelease_NationalMuseumofArt0719.pdf
■福岡県北九州市が「こどもファスト・トラック」を順次導入
北九州市は、スペースLABOなど市内にある80の公共施設で「こどもファスト・トラック」を7月23日から順次導入すると発表した。普段、行列ができない施設でも保護者がチケットを購入しているときに子供をキッズスペースに案内するなど、子供連れに配慮した取り組みも行うという。
■Fリーグ ペスカドーラ町田のホームゲーム観戦
日本のフットサルリーグ(Fリーグ)のフットサルクラブ・ペスカドーラ町田が5月の開幕戦からホームゲームの試合において、未就学児を連れた人を対象に「こどもファストトラック」を導入している。
公式
https://www.pescadola-machida.com/49327/
また先日、Jリーグが「こどもまんなか応援サポーター」として活動することを宣言。子供向けイベントを始め、「こどもファスト・トラック」の取り組みを推奨するという。
公式
https://www.jleague.jp/sp/news/article/25549/
以上は、本記事執筆時(7月23日時点)での情報ゆえ、これから続々と実施・導入が発表されることだろう。ただ、さまざまな施設に問い合わせた印象としては、「こどもファスト・トラック」の積極的な導入にはまだまだ至っていないように感じた。