軽量ボディが「走りやすさ」を生み出す
安いスマートウォッチはそもそも単独の位置測位機能がなく、Bluetoothで接続したスマホにそれを任せてしまったりする。もっとも、最近のローエンド機種も主要5衛星対応ということが珍しくなくなったため、スマホを持参しない状態でのマッピングも手軽な機能になってはいるが。
しかし、「スマホがなくともスマートウォッチで(しかもオフライン状態で)マップを確認する」ということはローエンド機種にはできない。
Amazfit Cheetahならそれが可能で、しかもこの製品自体がスポーツ用途に最適なボディを持っている。
実際にこれを装着してランニングをしてみると(気温35℃の中!)、バンド込の47gという重量が「走りやすさ」を生み出していることが理解できる。こういう場で使う腕時計は、軽いに越したことはない。
もちろん、こんな炎天下の中でのランニングにしか使うことができないというわけではない。スイミングにもAmazfit Cheetahを装着し、身体データや運動記録を計測することも可能。というより、このような時期ではそうした使い方に留めておいたほうがいいだろう。あまりに暑過ぎる!
発売日を間違えた?
それを考慮すると、Amazfit Cheetahは日本上陸の日取りを間違えてしまったきらいがある。
発売日は2023年7月25日。この日から既に北半球は猛暑に見舞われていたのだが、とにかくこの記事を書いている今も下手に外出したら死んでしまう可能性すらある。
が、上述のようにスイミングをするためにAmazfit Cheetahを利用するのもいいし、室内でのウェイトトレーニングでも用いることができる。Amazfitはこの製品を「ランニングウォッチ」と銘打っているが、その文言に利用者がこだわる必要もない。
何なら、スポーツをやらない人が「夏場のスマートウォッチ」としてこれを入手する考え方もある。
車の運転、バイクの運転、或いは仕事上の野外作業にもAmazfit Cheetahは最適ではないかと思う。とにかく、この軽さは「場所を問わない使い勝手」を実現している。スポーツウォッチなのに見た目もゴツくないため、性別問わず着用できる。
あとは個々の「求めるもの」にかかっている。
交通系ICカード対応のスマートウォッチで改札を通ったり買い物をしたりという人がAmazfit Cheetahに乗り換える可能性は、限りなく低いだろう。それ故に「棲み分け」という現象が発生する。
日常をよりスポーツライク(という表現がふさわしいかどうかは分からないが)に考えている人は、決済機能を捨てて「軽いフットワークに適合する」スマートウォッチと相性が良いのではないか。
ただ、どのみちAmazfit Cheetahの真価が発揮されるのは今この時期ではなく、涼しくなり始める10月あたりだろうと筆者は考えている。
【参考】
Amazfit Cheetah
https://www.amazfit.jp/products/amazfit-cheetah
取材・文/澤田真一