ワインディングで本領発揮
Dレンジでスタートすると2000回転からのレスポンスが鋭い。5000回転をポイントに、マニュアルモードで踏みこむと、1速40、2速70、3速で110km/hに達する。一方、100km/hの巡航はDレンジ7速1800回転、6速2000、5速2500回転で走行する。トルクの盛り上がりと、100km/hのキープが同じ回転数なので、100km/hをキープすると、かえってアクセルワークに気を使う。乗り心地はスポーツモードでは硬め。路面のザラつきや目地での突き上げも硬め。高速巡航ではエコモードの乗り心地がよかった。
そして、「ポロ GTi」が本領を発揮するのはワインディングだ。ローダウンされた車体、トラクション性能を最適化してくれる電子制御式デファレンシャルロック、アクティブダンパーを備えたスポーツモード、7速DSGのマニュアルモード(GTiにMTは存在しない)。コンパクトなサイズは、ドライバーと一体となったかのようなコーナリングを楽しませてくれる。
もちろん、先進安全性は最新レベルをほとんど備えている。燃費も、こうしたスポーツ走行でも8~10km/ℓ台はキープしていた。実用性に関しても、後席はやや低めの着座位置で、頭上の空間は身長170cmでも耐えられる広さを確保。足元は広々とはしていないが、ロングドライブでも十分だ。
もちろん背もたれは前倒する。リアの荷室も左右幅は1m以上確保されている。サブトランクも一応、確保されている。日本車では、少なくなってしまったコンパクトハッチバックのスポーツモデルは、日本の道には合っている。ガソリンエンジン+ターボのスポーツハッチの未来は見通せないが、この楽しさだけは記憶に残しておきたい。ワインディングを高回転キープで走りながら、ふと考えた。車両本体価格は411万3000円。
■関連情報
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/polo-gti.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博