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目上の人や取引先に使ってもOK?「お含みおきください」の意味と正しい使い方

2023.09.25

「お含みおきください」は、メールやビジネス文書、手紙などでよく使われる言葉の1つ。意味と正しい使い方を知らないと、思いがけず相手に失礼な言い方になってしまうことがある。信頼関係が重要とされるビジネスシーンで使用する場合は、特に意識して正しく使うことが大切だ。

本記事では「お含みおきください」の意味と正しい使い方、由来や使う相手、言い換え方などを解説する。

「お含みおきください」とは?

「お含みおきください」は、「おふくみおきください」と読む。「お含みおきください」の意味と語源を知っていれば、正しい使い方が身に付きやすくなる。

「お含みおきください」の意味

「お含みおきください」には「覚えておいてほしい」という意味があり、事前に知らせたい情報を伝える場合に使われる。今起きていることではなく、これから起こる可能性のあるトラブルや不都合な事態など、事前に相手に伝えたいことがあるときに使うのが一般的だ。

会話の中で用いられることは少なく、メールやビジネス文書で使用されるケースがほとんどなので、あまりなじみのない方もいるだろう。

「お含みおきください」の由来

「含みおく」という言葉がもととなっており、「含みおく」には「心に留める」「了解する」などの意味がある。「含みおく」に尊敬語の「お」と丁寧語の「ください」を足すと、「お含みおきください」となる。

「お含みおきください」を使う相手

尊敬語なので、目上の人や上司、取引先やお客様などに対しても使用できる言葉だ。しかし、「〜してください」と指示のように受け取られてしまうこともあるため、相手によっては注意が必要となる。

目上の人に使いたい場合は、「お含みおきくださいませ」や「お含みおきいただきたく存じます」などの言い方が、「お含みおきください」よりも丁寧で柔らかい表現だ。

「お含みおきください」のシーン別正しい使い方

正しい使い方を、2つのシーンを例に解説する。

事前に知っておいてほしいことを伝えたいとき

「お含みおきください」は、事前に相手に伝えておきたいことがあるときによく使われる。円滑なコミュニケーションが重要とされるビジネスシーンでは、休みや出張の際に連絡が滞らないよう、あらかじめメールで知らせておくことが大切だ。相手に自分の予定をあらかじめ知らせておくことで、連絡が取れなくて困る事態や相手の信頼を損なうことを防げる。

読み飛ばしてしまいがちなメールの内容だが、「お含みおきください」を使うことで、情報の重要性を高めて相手に知らせることができる。

<例文>

  • 「〇日から2日間出張のため、不在となります。あらかじめお含みおきくださいませ」
  • 「弊社は8月11日〜16日まで夏季休業となります。皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、お含みいただきたく存じます」
  • 「こちらの都合で誠に恐れ入りますが、明日より〇日間休みで不在となりますことをお含みおきくださいませ」

注意・催促・抗議したいとき

「お含みおきください」は、目上の人や取引先に注意・催促・抗議したいときにも使用できる。強めに伝えたいときは「お含みおきください」が適切で、もう少し柔らかいニュアンスで伝えたいときは、「お含みおきくださいませ」「お含みいただけますと幸いです」「お含みいただきたく申し上げます」の言い回しが適切だろう。

<例文>

  • 「当カードは、ご本人様のみご使用可能であること、お含みおきください。第三者への譲渡は転売等は禁止されております」
  • 「ご注文より1週間以内にお支払いいただけない場合、自動的にキャンセルとさせていただきます。あらかじめ、お含みおきくださいませ」
  • 「先日ご案内したイベントの申し込み期限は〇月〇日〇時までとなっております。申し込み期限を過ぎてしまった場合、お申し込みができなくなることをお含みおきください」
  • 「期日までにご入金いただけない場合は、商品の発送ができません。あらかじめお含みおきくださいませ」

「お含みおきください」の言い換え例

「お含みおきください」は他の言葉でも表現できるが、言い換える言葉によりニュアンスが異なる。やわらかいニュアンスなのか強いニュアンスなのか、伝える内容や相手との関係性などを考慮しながら、使い分けできるのがベストだ。

やわらかいニュアンスで伝えたいとき

相手にやわらかいニュアンスで事情を伝えるためには、「お含みおきください」を「ご了承」「ご理解」などに言い換え、くだけた言葉を使う方がいい。言葉がフランクになりすぎると相手に失礼になるため、言葉の丁寧さを守りながらやわらかい言い回しにすることが大切だ。

「ご了承」「ご理解」などの後には、「くださいませ」「〜してもらえるとありがたい」「〜いただけると助かる」「〜してもらえるとうれしい」など、やわらかいニュアンスの言葉をつけるのがマスト。

より相手に気遣いたい場合は、「恐れ入りますが」「こちらの事情ですみませんが」「お忙しいところすみません」などのクッション言葉を入れるといいだろう。

<例文>

  • 「急で申し訳ありませんが、その点だけ注意してもらえますか?」
  • 「こちらの事情ですみませんが、ご理解いただけると助かります」
  • 「恐れ入りますが、〇日までに返信してもらえるとありがたいです」
  • 「お忙しいところすみませんが、〇日までにご連絡いただけるとうれしいです」

改まった言い方をしたいとき

目上の人や上司など、自分より立場が上の人に事情を伝える場合は、「お含みおきください」では失礼になってしまうことがある。より改まった言い方をするためには、「お含みおきください」を「ご了承」や「ご理解」などの場に合った言葉に換え、丁寧な言い回しの言葉とセットで使う必要がある。

より丁寧で改まった言い方を知っておけば、大事な場面で相手に失礼な印象を与えずに済むだろう。

<例文>

  • 「大変恐れ入りますが、どうかご理解くださいませ」
  • 「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。何卒、ご理解いただけますようお願い申し上げます」
  • 「災害のためお届けまでお時間頂戴いたしますが、どうかご了承いただきたく存じます」
  • 「こちらの都合で申し訳ございませんが、どうか事情ご理解賜りますようお願い申し上げます」

「お含みおきください」を使用する際に注意したいこと

使用する際に注意したいことを知らずに「お含みおきください」を使うと、相手に失礼な印象を与える可能性がある。「お含みおきください」の注意点を知った上で、正しく使うのがスマートだ。

謝罪する際には使わない

「お含みおきください」は相手への理解や了承を求める言葉なので、謝罪には不向き。謝罪する場合に「こちらのミスでご迷惑をおかけしましたこと、お含みおきくださいませ」と伝えると、「こちらのミスで迷惑をかけたが、理解してくれ」という意味になり、相手に大変失礼だ。

謝罪する場合は、「お含みおきください」ではなく「ご容赦ください」「大変申し訳ございませんでした」「大変失礼いたしました」などを使うと失礼にならないだろう。「ご容赦ください」は、「大目に見てください」「許してください」という意味だ。

軽めの謝罪で十分な場合は、「申し訳ありません」「失礼しました」「反省しております」「お許しください」などの言葉でもいいだろう。

すでに起こっていることに対しては使わない

「お含みおきください」は、事前に情報を伝える際に使う言葉なので、すでに起こっていることに対しては使用できない。すでに起きている事柄を相手に伝えたい場合は、「ご了承ください」で代用が可能だ。

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