orzという言葉をご存知だろうか。orzはネットスラングとして有名だが、すでに過去の言葉として扱われることもあり、使用には注意が必要だ。
本記事ではorzの意味について解説する。また、orzを使う場面の例や使う際の注意点についてもまとめた。
orzの意味とは?
https://www.shutterstock.com/ja/image-photo/silhouette-photo-young-asian-woman-feeling-2168092271
orzは「がっかりした」ときや「失望した」ときに使うネットスラングだ。また、「申し訳ない」という意味でも用いられることがある。
なぜこのような意味で使われているかというと、「orz」という文字の並びが土下座をしているように見えるからだ。oが頭、rが胴体、zが脚を表している。ネット上ではorzのように、文字で絵やマークを描いて表現することが多くある。このような表現技法は、アスキーアートと呼ばれている。
orzの由来
orzの正確な由来は分かっていないが、おそらく掲示板で誰かが使ったのがネット全体に広まったと思われる。
諸説あるが、orzは元々「_」や「○」などの記号を使い、次のように表現していたと言われている。
_| ̄|○
しかし、パソコンのキーボードで記号を打つのは面倒である。そのため、「orz」とアルファベットで表現されるようになったと思われる。
orzの読み方
orzの読み方は固定されておらず、人によってさまざまな読み方がある。代表的なorzの読み方には次のようなものがある
- オルズ
- オルツ
- オーアールゼット
読み方が定まっていていないため、口頭で「今日のテストでミスった。オルズ」などと使うと、相手に伝わらない可能性がある。
orzから派生した言葉について
orzから派生した言葉というのもいくつかある。たとえば、腰を高くしたバージョンである「or2」、仰向けになっているバージョンである「ots」などがある。
ネットスラングの種類
ネットスラングとは、ネット上で発祥した言葉を指す。
昨今ではインターネットが、公共空間に近しいものとなってきたが、それ以前は、よりアンダーグラウンドな文化だった時代がある。巨大掲示板などの利用者は、自分たちしかわからないスラングを使って、やり取りを楽しんでいた。
orzもそうだが、ネットスラングの中には、「なんでそのような言葉が生まれたのか」よく分からないものも多い。ネットスラングを理解するにはまず、ネットスラングの種類について知る必要がある。
ネットスラングは、大きく次の4つに分けることができる。
- 略字
- 当て字
- 誤入力
- アスキーアート
1つ1つの種類について詳しく解説していこう。
略字
1つ目は略字だ。略字の例としては次のようなものが挙げられる。
- GJ(Good Job)
- おめ(おめでとう)
- kwsk(詳しく)
タイピングが面倒であるため、ネットの掲示板などでは略語が使われることがある。また、ニコニコ動画など動画にコメントを付けられるサイトでは、限られた時間に文字を打つ必要があるため特に略語が好まれると思われる。少ない文字数で分かりやすくメッセージを伝えられるため、日常生活でも用いる人は多い。
当て字
当て字もネットの掲示板では多く使われている。代表的な当て字には次のようなものがある。
- 安価(アンカー)
- 垢(アカウント)
- 鯖(サーバー)
もともと日本語には当て字が多くある。出鱈目や滅多など、当て字であることを意識せずに自然に使っている人は多い。このような言葉遊びは、ネット社会だとさらに広まりやすい傾向がある。
誤入力
誰かが誤入力したものが広まってしまい、ネットスラングになるケースも多くある。代表的な誤入力としては次のようなものがある。
- 大杉(多すぎ)
- 乙カレー(お疲れ)
なお、禁止ワードを避けるためにわざと誤入力を使っている事例もある。また、中には差別的な表現のものもある。そういったものも使うのは当然好ましくないが、差別的だと気が付かず使ってしまう人も多いため注意が必要だ。
アスキーアート
アスキーアートとは、文字の並びを絵に見立てたものを指す。orzもアスキーアートであるし、「\(^o^)/」などの顔文字もアスキーアートの一種と言えるだろう。アスキーアートは数文字で作られるものから、複数行で作られる大掛かりなものまである。
Google日本語入力などの入力システムでは、「顔文字」と打つと変換候補に多くの顔文字が表示される。また、歌の歌詞などにも顔文字が使われることもあり、多くの人に愛用されていることが分かる。
orzを使う場面の例
https://www.shutterstock.com/ja/image-photo/social-media-concept-1156511128
orzはどのような場面で使ったら良いのか分からない人も多いだろう。orzを使う場面の例としては、次の3つが挙げられる。
- 何かがっかりしたことがあったとき
- 申し訳ない気持ちをカジュアルに伝えるとき
- 悩みごとを発信するとき
各場面でどのようにorzを使えば良いのかみていこう。
何かがっかりしたことがあったとき
期待していたことが上手くいかなかったり愚痴を言ったりする際に、orzは用いられることが多い。また、「最終面接落ちたorz」など相手に過剰に心配させないために、SNSなどでorzを使う人もいる。
【例文】
「最終面接落ちたorz。よし、また1から就職活動頑張るぞ!」
申し訳ない気持ちをカジュアルに伝えるとき
orzは、謝罪の気持ちを伝えるために使う人も多い。友人同士の会話で「ごめんね」などと謝ると、空気が重くなってしまうこともある。
orzを使えば、深刻にならない程度に申し訳ない気持ちを伝えることができる。もちろん、相手を本気で怒らせてしまった場合や大きな迷惑をかけたと思う場合は、orzは使わない方が良いだろう。
【例文】
「寝坊したorz。今日の待ち合わせ30分ぐらい遅れそう……」
悩みごとを発信するとき
orzは、悩みごとを発信するときにも使うことができる。悩みがあるものの相談しにくい場合は、誰にでもあるだろう。orzを使えば、悩みがあることをさりげなく伝えられて、「何かあったの?」と向こうから話を持ちかけてくれるかもしれない。
【例文】
「はあ、最近付き合ってる人から全然連絡返ってこないorz」
orzを使う際の注意点
orzは上手く使えば相手に親近感を与えることもできる便利な言葉である。一方、orzを使う場合、気をつけなければいけないことも多い。
- すでに古い言葉になりつつある
- 意味が通じない可能性もある
- TPOを考えて使う
- 煽りと捉えられる可能性がある
これらに気をつけないと、思わぬ誤解を受けたり他人に不快感を与えてしまったりする恐れがある。
すでに古い言葉になりつつある
orzはすでに「死語」であると言われることもある。死語を使っていると年寄りくさいと思われたり煙たがられたりする場合がある。
また、匿名ではないSNSで使っていると、年齢をなんとなく察せられてしまう可能性もあるので注意だ。
TwitterなどのSNSでは、orzよりも今は黄色い顔文字などが使われることが多い。
意味が通じない可能性もある
そもそも今の若者は、orzの意味を知らない可能性もある。知らない人がいる中でorzを使うと、内輪ネタだと思われてしまうかもしれない。
顔文字を除いてアスキーアートはもうあまり使われなくなってしまった。アスキーアートは途中で改行が入ると崩れてしまうこともあり、Twitterなどでは使い勝手も悪いと思われる。
TPOを考えて使う
orzはTPOを考えて使うことが大切だ。ビジネスシーンではネットスラングは、基本的に好ましくない。カジュアルな会社だとネットスラングがメールで使われることはあるが、上司や目上の人相手には止めた方が良いだろう。
また、マイナビの調査によると「相手から使われたら嫌だと感じるネットスラング」でorzは4位になっている。会社でネットスラングを使ってほしくないという人は多いようだ。
参考:仕事上で嫌われるネットスラング、1位は? – 3位は「草」
煽りと捉えられる可能性がある
orzは煽りと捉えられる可能性があるのも注意だ。「残念だったねorz」などと使うと、相手を煽っていると思われてしまいかねない。友人などが落ち込んでいるときは、素直に励ましの言葉をかけてあげた方が良い場面が多いだろう。