アクスタ、いつの間にか推し活に欠かせないアイテムになっている件
アクリルスタンド。通称アクスタ。
アクリル製の板にさまざまなキャラクターの画像が印刷されたもので、アクリルフィギュアとも呼ばれる。
あくまでも画像が印刷されたものであるため、フィギュアと銘打たれている場合もあるが二次元アイテムである。
ここ数年、このアクスタの需要が高まっている。
実在人物、アニメキャラクター、そしてロゴマークなどを題材とし、数多くのバリエーションが展開されているアクスタ。
これまであまり注目されることがなかったこの手のアイテムが、頻繁に商品化されるようになってきた。
一体なぜ、ふと気が付いたらここまでアクスタが流通しているのか。
今回はこの謎について迫っていきたい。
アクスタを精力的にリリースしている企業・株式会社ハゴロモに流行の理由を伺ってみた…
アクスタといえばやはり全体的に目立つのは、アニメコンテンツのイラストを採用したもの。
そこでまずは、多種多様なアニメ作品のアクスタを精力的にリリースしている、株式会社ハゴロモの商品企画担当者さまに、現状のアクスタの人気のほどと、その理由について伺ってみた。
株式会社ハゴロモ商品企画担当者 アクスタの人気に関しては自分でも実感している所で、実際に描き下ろしイラストなど同じイラストを使用したグッズでも、缶バッジやキーホルダーよりもアクスタの注文数が多く、人気のあるアイテムという認識があります。
アクスタの人気の理由として、一般的には、飾りやすい・持ち運びやすいサイズ感、手ごろな価格などがあげられると思いますが、多くのファンの皆さんはアクスタを「推しの分身」として、愛着を持っているように思います。
SNSなどを見ると、推しのアクスタを様々な場所に連れて行って写真を撮っている写真も多く目にします。
一方で、アクスタがグッズの中でここまで市民権を得たのは、ジャニーズの公式グッズとして発売されたことが大きく影響していると思います。
ファンの母数が多いので、アクスタはジャニオタ界隈での必需品となり、それが二次元や俳優界隈にも伝播する形で、アクスタを使用したオタ活がある種ステータスになったように感じます。
同時に、サンリオのアクスタケースなどの「オタ活グッズ」が発売され、自分の推しをサンリオのケースに入れてオタ活をしたい、という新しい需要も生まれたことも手伝って、グッズの中でもアクスタの価値が高まったのだと感じます。
……と、このような見解をお聞きすることができた。
たしかに、言われてみれば実在のアイドルのグッズは過去にもさまざま存在したが、フィギュア等の立体物については監修も難しいところがあるし、その数は多くはない。
その点、アクスタならあくまでも平面ではあるものの、推しの存在を立体物として認知することができるため、たしかにファンにとっては嬉しい一品となりがちだろう。
さらに、落下した場合の衝撃にも強く破損の心配も少ないのも嬉しい。
アニメ版権においては、常々売れるか分からない微妙な線のキャラクターグッズは展開しにくいというジレンマが付きまとっていた。
一方で“人気の観点から本来ならフィギュアにならない、できないようなサブキャラクター”でもアクスタなら、フィギュアと違って原型製作の時間もコストも監修を受ける手間も省けて、しかも安くリリースできる。これならニッチなファンも推し活のためのグッズとして手に入れることができる可能性は高まる。
多様化する推し活においては、アクスタは上手く多くのファンの要求をかなえる役割を果たしているということが言えるのかもしれない。