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〝生〟トレンドを取り入れて累計4000万食突破の大ヒット!ファミリーマート「生コッペパン」誕生秘話

2023.07.26

「どの世代が食べても美味しいコッペパンを作りたい」、そんな想いからファミリーマートが開発に挑んだ「生コッペパン」。2023年2月の発売開以来、順調に売上を伸ばし、累計食数は4000万食(6月時点)を突破したという。

今回は、生コッペパンを開発した株式会社ファミリーマート 商品本部 FF・スイーツ部 パン・生菓子グループ マネジャー 鈴木崇義さんにサービス誕生の裏側についてお話を伺った。

*本稿はインタビューから一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。

若年層から高齢の方まで、どの世代にとっても美味しいコッペパンを作りたい

ファミリーマートはこれまでも、メロンパンやクリームパン、カレーパンなどの定番商品を「どのコンビニチェーンよりも美味しくしたい」という想いでパンの開発を進めてきた。今回、ファミリーマートが生コッペパンの開発に至った経緯について、鈴木さんは次のように語る。

「コッペパンは若い方からご年配の方まで、幅広い世代に馴染みのあるパンです。昔ながらのパンというイメージがありますが、10年ほど前からのコッペパンブームもあり、若い方にも認知が広がりました。しかし、世代によってコッペパンに対するイメージに格差があることがわかったんです。特にご年配の方には、『パサパサしている』というネガティブなイメージをお持ちの方が多いようでした。せっかく皆さんがご存知のパンなので、どの世代のお客様が食べても美味しいと思っていただけるパンを作りたいと、生コッペパンの開発を始めたんです」(鈴木さん)。

市場調査でわかった「生」の魅力

リサーチを通し、長い間ロングセラー商品として売れているコッペパンに目をつけた鈴木さん。さらに、今の時代に誰が食べても美味しいコッペパンを作るために、パンの市場調査を行ったという。

「まずは、東京方面・神奈川方面・埼玉方面など地域を分け、それぞれのメンバーがさまざまなパン屋さんに行って、パンを買い回りました。『どんなパンが流行っているのか』『どんなコッペパンにしたらいいのか』という観点でパンを選びましたね。その後、写真を撮ったり、重量を計測したりとデータを取り、最終的に100種類以上のパンを試食しました。一見楽しそうですが、これがなかなか辛い作業だったんです(笑)」(鈴木さん)。

地道な市場調査の結果、「生ドーナツ」「生フランスパン」など「生〇〇」が流行っていることに気づいた鈴木さん。「生」のトレンドを再現する上で、生クリームを加えることとベーカリーで用いられる2つの生地の製法を取り入れることを決める。

「市場では、通常よりも水をたくさん入れて作る多加水生地が流行っていることが分かりました。また、卵や油脂をふんだんに使ったブリオッシュ生地も人気です。多加水生地とブリオッシュ生地に共通しているのが『しっとり』している点。この流行に何を加えたらファミリーマート独自のものになるかを考え、生クリームを加えることにしました。生クリームを使うことで、生地をしっとりとさせ、コクを出せます。多加水製法と生クリーム、ブリオッシュ製法と生クリームをそれぞれ組み合わせたら、ファミリーマート独自の生地ができるのではと考えたんです」(鈴木さん)。

袋パン製造工場で「生」のクオリティを実現する大変さ

多加水製法とブリオッシュ生地の製法は、元々ベーカリーが得意とする製法で、コンビニの袋パンにはあまり適していないという。パン作りの要とも言える生地の開発で苦労した点について、鈴木さんは次のように振り返る。

「多加水生地もブリオッシュ生地も、生地自体がすごく柔らかく、ドロっとしているのが特徴です。ベーカリーでは、職人が一つひとつ丁寧に分割して成形できますが、私たちが製造する袋パンの場合、工場製造のため機械で作らなければなりませんが、柔らかい生地だと機械を通らない問題があるんです。そこで、生地にたくさん水を含ませてもまとまりがあり、機械にかけられるぐらいのかたさを目指しました。一定のかたさは保ちつつも、焼き上がった後は、しっとりと美味しい。そんな生地を開発しました」(鈴木さん)。

さらに、消費期限が3〜4日ほどある袋パンの品質を担保する点にも苦労したという。生地に含む水分や油の配合、製造工程を何度も見直すことで今回の商品が完成した。

生コッペパンの開発はメンバーの成長に繋がった

生コッペパンの開発は、メンバーが工場で生地の状況を逐一確認しながら丁寧に進めたという。こうした開発の進め方ができたことは、メンバーの成長に繋がったと鈴木さんは振り返る。

「今回、製パンメーカーの開発者さん、弊社パン担当メンバーみんなで、市場調査の段階からしっかりと目線合わせすることを意識してきました。一言に『多加水生地』と言っても、みんなが頭に浮かべる生地は異なります。同じものを食べて、目標や品質のゴールなどを確認しながら、丁寧に進めてきました。さらに、工場のラインに入って生地の状態を実際に確認していくことが、いかにそのあと製品の品質向上にとって大事かをメンバーみんなが実感してくれたのも良かった点です。そういった意味で、生コッペパン開発に取り組み、良い商品ができてお客様に喜んでいただいたことはもちろんですが、チームにとってもとても良いことだったと思います」(鈴木さん)。

生コッペパンのこだわりはズバリ「生地」にあり

生コッペパンならではのこだわりポイントについて、鈴木さんは次のように話す。

「パンを作る際は、生地と中身の具材が口のなかで溶けるスピードを合わせることが大切です。コッペパンを食べたときに、最後に具材の味がなくなって、パンの味だけが口の中に残って終わるのはあまり嬉しくないですよね。今回、甘い生コッペパンにはブリオッシュ製法を使い、口どけを重視した生地に仕上げました。惣菜系のコッペパンには、多加水製法を用い、もっちりした生地に仕上げています。惣菜パンの方が、具材にボリュームがあるので、具材に負けないもっちりした生地が合うんです」(鈴木さん)。

さらに、鈴木さんは「生コッペパン」というネーミングにもこだわりがあると続ける。

「『生〇〇』という言葉自体は、多くの方がご存知だと思うんです。でも、例えば『生食パン』を実際に食べたことがある人は、どれくらいだろうと考えました。流行りのものを都内のベーカリーに2時間並んで、食べられる人はそう多くありません。情報は入ってくるけど、実際に食べたことがない方が多いんじゃないかと思っていて。もちろんまったく同じものではありませんが、手軽に、流行りのものの喫食体験ができる機会を提供するのも、コンビニエンスストアの一つの使命ではないかと思っています」(鈴木さん)。

コンビニとして安定した品質を保つために

全国に展開するコンビニエンスストアとしては、安定した品質が求められる。他のパンと比べより生地にこだわった生コッペパンの品質を担保するためには、製パン工場の協力が欠かせなかったという。

「全国各地の工場に協力していただきながら、毎週ラインテストを実施しました。メンバーで各工場のパンを食べ比べ、焼き加減やパン生地の発酵度合い、生地のかたさなどを確認したんです。こうした作業は新製品開発時に毎回行いますが、今回のように毎週という高頻度でラインテストをしたのは初めてかもしれません」(鈴木さん)。

「生地がおいしい」との嬉しい反響

紆余曲折を経て誕生した生コッペパンは、2023年2月に発売を開始。好調な売上をキープしており、全国から嬉しい声も届いているという。

「これまでも『新発売のパンが美味しい』と言っていただけることはありましたが、『生地が美味しい』と言っていただくことは少なかったんです。でも今回は、とてもこだわって生地を作ったので、多くの方に生地自体を評価していただけたのが嬉しかったですね。メンバーも褒められたことに喜びを感じ、生地にこだわることの大切さを実感できたようです」(鈴木さん)。

コンビニとして多くのお客様に満足いただけるものを商品化していきたい

現在でも売上が好調な生コッペパン。今後は、さらに新しいラインナップの追加も検討しているという。

「コッペパンはスタンダードなパンなので、中に入れる具材次第で、今後もまだまだ進化させられると思っていますし、ファミリーマートはそこに挑戦していきたいです。コンビニとしては、多くの方に食べたいと思ってもらえる商品を発売することが重要です。パンはコンビニエンスストアの商品の中でも安価な日常食。どんなお客様が来ても、欲しいパンが手に入ると感じていただける売り場を目指さないといけません。世代や性別を問わず、幅広いお客様に楽しんでいただくことを第一に考え、スタンダードで皆さんが期待されるようなところから、商品化していきたいと考えています」(鈴木さん)。

お客様が飽きるスピードに負けないように進化を

最後に今後の目標について、鈴木さんは次のように語った。

「今回、多くの方に生コッペパンをご評価いただき、繰り返し購入くださる方が非常に多いことをありがたく思っています。しかし、ずっと同じものでは飽きられてしまいます。最初は美味しいと感じていただけても、慣れてくると当たり前の味になってしまいますよね。お客様の飽きや慣れのスピードに負けないよう、パンを進化させていきたいです。また、コッペパンだけではなく、お客様に驚いていただいたり、喜んでいただいたりしていただける商品を引き続き生み出していきます」(鈴木さん)。

構成/DIME編集部

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