「セサミストリート」のはじまりと社会活動
セサミストリートは、世界150か国以上の地域で放送されている子供向け教育テレビ番組です。米国の非営利団体「セサミワークショップ」によって制作され、1969年に放送を開始しました。
元気な赤いモンスター「エルモ」や、大きくて黄色い鳥「ビッグバード」、いつもクッキーを抱えているもじゃもじゃの「クッキーモンスター」など、番組の内容は覚えてなくともセサミストリートのキャラクターたちは知っているという人は多いでしょう。
カラフルで可愛らしいマペット(マリオネット+パペットの造語)たちが登場し、楽しいおしゃべりを繰り広げる…そんなイメージが強いセサミストリートですが、実は単なる子供向けのキャラクター番組というわけではありません。セサミストリートが世界中で愛され続ける理由は、可愛くて面白いからだけではないのです。
1960年代、当時人種差別や経済格差が大きな社会問題になっていたアメリカで「テレビを通じて子供たちに平等な教育の場を提供したい」という思いから生まれたのがセサミストリートでした。
意外かもしれませんが、セサミストリートには今も昔も多様性を抱えた子供や社会問題をテーマにしたエピソードがたくさん登場します。自閉症の特性を持つ女の子「ジュリア」や、薬物依存症の母親の元を離れて里親と暮らす女の子「カーリ」などは、多様性をテーマにしたエピソードの代表例です。その内容は、日本の一般的なアニメや子供向け番組ではあまり取り扱うことがないようなものかもしれません。
テレビでセサミストリートを見た子供たちは、親しみやすいキャラクターを通じて多様性や社会問題を知ります。そして、それについて考えたり理解したりするきっかけになるのです。
日本でも2004年までNHKで放送していましたが、当時はどちらかというと英語教育番組としての側面が強かったといわれます。かくいう筆者もセサミストリートに対しては「英語の歌?を見ていたなぁ」というくらいの感覚しかなく、恥ずかしながら非営利団体による制作だということすら知りませんでした。
最近ではセサミストリートジャパンが小学生向けの教育プログラム『セサミストリートカリキュラム』を開発し、2018年に実際に公立小学校で導入されるなど、日本の教育現場でセサミストリートを取り入れる動きも広まってきました。
おもしろおかしなカワイイぬいぐるみの番組という印象しかなかった方は、ぜひセサミストリートマーケットへ足を運ぶ前にYouTubeなどの動画をチェックしてみてください。彼らが可愛くて魅力的なのはもちろんですが、改めて見るとまたイメージが変わるかもしれませんよ!もちろん、子供と一緒に見るのもおすすめです。
セサミストリートマーケットは池袋サンシャインシティで2023年11月にOPEN予定
子供連れのファミリーはもちろん、カップルや昔からのファンの方など、年代問わず楽しめる企画が満載のセサミストリートマーケット。
池袋サンシャインシティで2023年11月下旬にオープン予定なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
■『SESAME STREET MARKET(セサミストリートマーケット)』の店舗概要
オープン予定日:2023年11月下旬予定
場所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋3丁目1 サンシャインシティ 専門店街アルパ1F
店舗面積:約100坪
物販アイテム数:ぬいぐるみ、バッグ、食物販、タンブラー、タオルなど約200点
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.