ウォルトディズニーの主力事業は2つ
ウォルト・ディズニーの主力事業はテレビや映画、ディズニープラスなどのメディア事業とテーマパーク事業の2つです。
現在、追い風が吹いているのはテーマパーク事業です。コロナ禍を乗り越え、グループ事業全体の稼ぎ頭としての力強さを取り戻しつつあり、黒字回復しています。
ボブ・アイガー氏もテーマパーク事業を「成長ドライバー」と位置付けており、テーマパーク事業は今後も成長が見込まれます。
その一方、コロナ禍を支えたテレビ事業は減収気味であり、並行してストリーミング事業の黒字化を目指したものの、こちらも成長が鈍化傾向にあります。こうしたなかで見直されているのが映画です。たとえば昨年公開された「アバター2」は興行収入3000億円を突破し、あのタイタニックを超えて歴代3番目の大ヒット映画となりました。
今後、ディズニーコンテンツだけでなく、傘下にあるマーベルやピクサー、ルーカスフィルムといった知的財産をどのように活かすのかもポイントとなるでしょう。
ディズニープラスの次の一手「VisionPro」
ディズニープラスの次の一手について、ボブ・アイガー氏は新たな戦略を打ち出しています。
その一つが、7月12日から始まった国内のディズニープラスとHuluのセットプランです。
こうしたサービスを組み合わせたバンドルプランが今後加速するかもしれません。
とはいえ大ヒット映画だけでは難しいのが現状です。
なぜなら最大のライバルであるネットフリックスはヒットコンテンツを量産しており、今後はいかにディズニープラスの世界を質的なものに変えられるのかがポイントでしょう。
その次の一手がアップルが発表した「VisionPro」です。
これまでにない没入型のエンタテイメントを提供するべく、世界最高峰のテクノロジー企業アップルとディズニーが協力することで、例えばマンダロリアンの世界で自身のアバターを操作して参加するなど、これまでにない夢のような体験が実現される日も近いのではないでしょうか。
これはディズニーの持つキャラクターコンテンツにこそ大きな強みがあるがあるはずです。
おわりに
今年の2月にボブ・アイガー氏は2023年末までにディズニーの配当を復活することを発表しました。特にディズニーのような歴史ある企業は安定配当を期待する株主も多いため、実際に配当が再開されれば、株価の大きな上昇要因となるでしょう。
また2024年にディズニープラスも黒字化させると宣言しており、実際に黒字化達成となれば、今よりもさらに強固なビジネスモデルが構築されるのではないでしょうか。
以上、米国企業深掘りシリーズ「ウォルト・ディズニー」でした。
次回もお楽しみに!
文/鈴木林太郎