何か大きな不満があるわけではないのに、「仕事に飽きた」と感じてしまうことはないでしょうか。
仕事に飽きると感じることは、決して悪いことではありません。自身の仕事に対するモチベーションを考えるチャンスでもあります。大切なのは原因に合った対処をとることです。
今回は、仕事に飽きたと感じる原因、そして転職を考える前に試してほしい対策をご紹介します。
仕事に飽きたと感じてしまう原因4つ
仕事に飽きることは誰にでもあることですが、その原因がわからないまま放置すると仕事に支障が出てしまう可能性があります。まずはその原因について、ご自身に当てはまるところがないか、チェックしてみてください。
1.仕事内容に慣れた
まず、仕事に飽きたと感じてしまう大きな原因の1つは、仕事内容への慣れです。毎日同じ環境で同じ業務をしている、マニュアルがあって日々の業務に変化が生じにくいなどがある場合には、より仕事内容に対して飽きを感じてしまうでしょう。
仕事に慣れることは悪いことでありません。最初は難しいと思っていた仕事内容をこなすことができているサインでもあります。しかし、仕事内容が一定で変化がないように感じてしまうとモチベーションを維持するのが難しくなってしまいます。
2.仕事の目標がない
仕事の目標設定がされていないことも、仕事への飽きにつながります。目標がない状態というのは、目指す場所がないままただ歩いているだけの状態のこと。ゴールがわからなければ、モチベーションを維持することは難しくなります。
また、目標設定がされていないと、仕事はただ目の前のことをこなすだけの作業となり、自分の成長を実感できません。自分の成長が実感できないことは、さらにモチベーションが低下する原因となります。
3.期待や評価されない
仕事のモチベーションは自分だけの目標設定だけでなく、他人からの期待や評価なども関係していきます。
『他人の評価なんて気にする必要はない」と言われることもありますが、それは他人の評価だけを気にしている場合です。自分自身でも目標設定や自己評価ができる人であれば、他人からの評価だけに大きく左右されることはありません。
そして、他者からの期待ですが、これもプレッシャーという悪いストレスのように捉えられていますが、本番にいつも以上の力を発揮することがあるように、プレッシャーがいい影響も与えてくれる場合もあるのです。
とくに仕事では、人事評価や給与制度は客観的に社員の能力や業績、貢献度などを判断した上で適切な処遇が決定されます。他人からの期待や評価がなければ、「頑張っても意味がない」と思って仕事のモチベーションが下がってしまうのも無理はないでしょう。
4.仕事をリセットできていない
仕事から離れる時間をしっかりと確保できていない人も仕事の飽きを感じやすいようです。
オンオフの切り替えがうまくできていないとずっと仕事と触れ合っている感覚となり、仕事のモチベーションを維持できず、仕事に飽きを感じてしまうからです。
仕事に飽きたと感じたら試してほしい4つの対策
仕事に飽きることは決して悪いことではありませんが、その状態が続くことはよくありません。原因の次に対策を考えていきましょう。ここでは、転職する前に試してほしい対策をご紹介します。
1.仕事をする目的を考えてみる
仕事のモチベーションを上げるには、まずは仕事をする目標を明確にしてみましょう。
仕事をする目的は、同じ仕事をするにしても個々によって違います。仕事での評価を挙げる人もいれば、プライベートを充実するためにお金を得る方法と考えている人もいます。
今の仕事を選んだ理由などを、初心を振り返って考えてみると仕事をする目的を再確認することができるのでおすすめです。
2.目標を具体的に決める
原因でも触れたように、目標設定ができていないことが原因で仕事に飽きたと感じてしまっているのであれば、目標設定をすることが今の状態を脱する方法です。
仕事の目標設定ですが、「〇月までに△△という契約を取る」など、具体的に設定してみましょう。期限を決めることは有効ですが、それがあまりに遠い場合にはモチベーションを維持することが難しくなります。大きな目標に時間がかかりそうであれば、短期の目標設定をもう1つ考えてみてください。短期の目標を達成することでそれが自信にもつながり、より長期の目標に届きやすくなります。
3.尊敬している人に相談する
これは、期待や評価されないと思っている方に有効な方法です。
職場で仕事のやり方や、考え方などが尊敬できる相手、周囲から高い評価を受けている相手に仕事についての話を聞いてみるといいでしょう。そして、相手の仕事へのやりがいやモチベーションを維持する方法を参考にしてみてください。
しかし、1つ注意してほしい点があります。相談する場合には、いきなり「仕事に飽きた」などと伝えずに、「仕事のモチベーションを維持が難しい」など、今あなたがどういう状況で何に悩んでいるのかを伝えるようにしてください。こちらはそういうつもりではなくても、仕事に対するワガママを言っているように受け取られる場合があるからです。
4.仕事から離れる時間を意識的に作る
仕事のことを考えない時間を意識的に作ることも大切です。仕事から離れて他のことに熱中する時間を作ることで生活にメリハリが生まれ、やる気が戻ることがあります。
そのときには家でゆっくりするなど休むことを優先する人もいますが、暇な時間を作ると仕事のことが頭から離れない可能性もあります。心身ともに疲れている場合を除いては、プライベートの予定を入れるといいでしょう。友人との趣味の時間を作ったり、習い事をしたりなど、熱中するものを探してみてください。
最後に……
上記の対策を試しても仕事に飽きたという気持ちを拭いきれない場合には、転職をする、または思いっきり休むことも視野に入れてみてもいいでしょう。
そのときには、仕事に飽きたと感じてしまう原因が自分自身の仕事との向き合い方など解決できるものではなく、固定された業務内容や職場環境にある可能性を一度考えてみてください。自分自身ではどうしようもないものかどうかを見極めてからの行動をおすすめします。
文・構成/藤野綾子