津波から逃げるためであれば車を使っていい
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、津波の犠牲になってしまった方も多くいました。もし、沿岸付近にいる時に地震が発生し、津波が襲ってくるおそれがある時は、どうすればよいのでしょうか。
国家公安委員会が作成している「交通の方法に関する教則」によると、「津波から避難するためやむを得ない場合は車を使っても良い」と記載されています。
ただし、津波から避難するために車を使う時は、道路の破損、信号の作動停止、道路上の障害物など、地震の影響による交通網の障害に注意しながら運転してください。
【参考】交通の方法に関する教則
運転中に緊急通報しなければならない場面に遭遇した時の対応
地震が発生すると、あらゆる場所で、様々な被害が発生します。もし、運転中に緊急通報しなければならない事態が発生した場合、携帯電話を使ってもよいのでしょうか。
道路交通法 第71条(運転者の遵守事項)五の五によると、原則として車の運転中に、全部または一部を手で保持しなければ送信と受信のいずれも行えない携帯電話を持って通話したり、携帯電話やカーナビなどの画面を注視したりしてはならないと定められています(いわゆる「ながら運転」をしてはならないということです)。
ただし、同号にはカッコ書きで、「傷病者の救護または公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く」と記載されています。つまり、いち早く通報しなければならない緊急事態に限り、例外的に運転中の通話ができるといえるでしょう。
基本的に運転中にスマホを使ったり、ナビやスマホの画面をじっと見続けたりするのは違反となります。しかし、一刻も早く通報しなければならない緊急時は運転中に電話で通報できると覚えておきましょう。
この運転中の緊急通報については、あくまでも例外です。緊急通報するために携帯電話を操作して事故を起こしてしまうことがないよう注意してください。もし、運転中に緊急通報しなければならない場面に遭遇した時は、最近の車に装備されることが多くなった緊急通報ボタンを使ったり、安全な場所に車を停めてから通報したりしましょう。
いつ起きるかわからない地震発生時の対応を覚えておこう
地震は、いつどこで発生するかわかりません。もしもの時のために、運転中に地震が発生した時の対応手順を覚えておきましょう。
取材・文/齊藤優太