ハンドリングの安定感
前席に戻って、イグニッションON。0.658ℓの3気筒エンジンを目ざめさせる。シフトレバーは、P、R、N、D、Sの5つのポジション。Dレンジで走り出す。0.658ℓのエンジンは4000回転あたりから音が高まり出す。音質はノイジーではない。
60km/hはDレンジで1800回転あたり。3000回転をオーバーするとアクセルレスポンスも良くなってくる。高速走行で80km/hは2800回転。Sレンジにシフトすると3400回転だ。エンジン音は4000回転あたりから大きくなるので、素早い加速が必要ならば、Sレンジにシフトするとトルクピークに向かって加速を開始する。Dレンジの0→80km/hが11秒台。速さを求めるならターボは必須だ。
ハンドリングの安定感も「N-BOX」の美点。とくに中・高速域での動きが安定している。中速域でのコーナリングは、アンダーステアはまだ残っているものの、かなり改良されている。乗り心地も低速域ではタイヤのザラつきや上下動の硬さが気になるが、車速を高めていくほどに上下動も抑えられてくる。
平均実走燃費は10~14km/L。カタログ値は21.2km/L(WLTC)だ。安全運転支援や快適装備も充実している。標準装備になったオートホールドパーキングブレーキなど、街中での使い勝手もよい。日本でもっとも売れているクルマは、室内の広さと、使い勝手のよさでライバルたちの追従を抑えているのだ。
■関連情報
https://www.honda.co.jp/Nbox/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博