サブスクサービス開始
筆者はどちらかと言えば「コラムライター」である。
Webメディアのコラムライターやルポライターの悩み、それは記事入稿から配信までにタイムラグがあるということだ。その間にせっかく調べた事象に何か大きなアクションが発生すれば、記事自体が古くなってしまう。
この記事を書いている最中にも、MetaがInstagram向けにサブスクリプションサービスを始めたという報道が舞い込んだ。これを利用すれば、Threadsのアカウントにも本人認証マークがつくとしている。
この分なら、いずれThreadsは名実共に「第2のTwitter」になってしまうのではないか? 実際、TwitterからThreadsへ乗り換える人が相次いでいるという報道もある。
しかし、それはThreadsがTwitterを崖の下に落とす前兆ではなく「Twitterとの棲み分け」を予言する現象ではないかとも思ってしまう。
上述の通り、SNSにも「雰囲気」というものが存在する。そして日本人は「雰囲気」や「空気」を読むことに世界一長けた人々だ。だからこそ「程よい雑多感」に満ちたTwitterが日本人の間で普及した。
何しろ日本は、FacebookのユーザーよりTwitterのユーザーのほうが多い稀有な国なのだ。
企業の広報担当者も、このあたりを把握する必要がある。
Threads向け広告戦略を確立する
今後起こり得るのは、「この商品はThreadsユーザー向きだがTwitterユーザー向きではない」というようなSNS広告戦略の確立である。
或いは同じ商品でも、Threads向けとTwitter向けでは広告の方向性が違う……ということもあるだろう。
企業としては、両SNSの特徴を見極めて戦略的な広告を打つ必要が出てくる。
Threadsがスタートダッシュの勢いを維持するか、それとも北半球の夏を一時だけ飾る打ち上げ花火に終わるかは分からない。
が、結果はどうあれ「どんな方向性のSNSか」を調べておく価値は十分にある。
取材・文/澤田真一