あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈25〉要領がよくなる【超重要】睡眠ルール
睡眠について考えるときの絶対ルールはほかにもあります。
次に紹介するものを合わせて、ぜひ覚えておいてください!
【起床8時間後のルール】
起床した8時間後(例:7時起床なら15時)は、睡眠・覚醒リズムによって脳の働きが低下し、知的作業ができず眠くなります。
この時間帯に資料作成や企画の立案、新しい情報を読み込む作業を当てはめると、たちまちあくびが出て、眠気に耐えることに力を注ぎ続けるはめになります。
【起床4時間後のルール】
起床した4時間後(例:7時起床なら11 時)は、1日のうちで最も知的作業がはかどる時間帯。この時間に意図的に考える作業をしてみると、なにも工夫しなくてもはかどることが体験できます。
【起床直後のルール】
起業直後は、窓から1メートル以内に入って日の光を浴びるようにしましょう。脳に光が届くと、睡眠のリズムをつくる物質「メラトニン」の分泌がストップし、その時点から体内時計がスタートします。
紫外線が気になる人もいるかもしれませんが、直射日光を浴びる必要はなく、リビングなどの明るいところにいるだけでOKです。パソコンやスマホをチェックする、歯磨きやメイクをするなど、どんなことでもよいので、毎朝していることを、窓から1メートル以内の場所で行うようにしてみましょう。
【起床11時間後のルール】
内臓の温度である「深部体温」は、高くなるほど体のパフォーマンスが上がり、その後、急激に下がるほど眠くなって深く眠れます。
起床11時間後(例:7時起床なら18時)は、深部体温が最高になる時間帯です。この時間に少しでも眠ってしまうと、その晩の睡眠の質は悪化します。
反対に、1分でできるスクワット10回程度の運動をこの時間にすれば、深部体温が上がり、夜の睡眠の質も上がります。
【仮眠30分のルール】
1日に使える「深い睡眠の脳波」は限られています。昼の仮眠で深く眠ってしまうと、夜の睡眠分を食いつぶしてしまい、夜にぐっすり眠れなくなってしまいます。
昼に仮眠をする場合は、どれだけ時間があっても30分以内に留めるようにしましょう。
【就寝15分のルール】
慢性的な睡眠不足でなければ、通常は、就寝して10分くらいで入眠します。ところが、就寝して15分寝つけなかったら、その後は大抵1時間は眠れません。そのままベッドにいれば、「ベッド=考えごとをする場所」と脳が学習してしまいます。
そこで、15分寝つけなかったらベッドを出て、1時間後に眠気を感じたら就寝するようにしてみましょう。
【起床時間3時間差のルール】
起床時間がずれるほど、脳はダメージを受けます。平日と休日の起床時間の差は、3時間以内に収めましょう。
私は睡眠障害を抱えた人をたくさん見てきましたが、起床時間の差が3時間以内の人には、メンタルの不調者はすごく少ないです。反対に、起床時間を3時間以上ずらして、昼頃まで寝だめをしていると、やることが面倒くさくなったり、理由なくイライラしたりすることがあります。
【コアタイム5時間のルール】
どんなスケジュールでも絶対眠っている時間帯のことを、「睡眠コアタイム」といいます。たとえば、普段0時に就寝して7時に起床している人が、金曜日の夜に4時まで夜更かしをしていれば、その1週間の睡眠コアタイムは4時から7時の3時間です。
睡眠コアタイムが短いほど、昼間にぼんやりして夜はぐっすり眠れなくなります。睡眠コアタイムを5時間以上つくることができれば、睡眠のリズムはひとまず安定します。
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いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。