UCCコーヒーアカデミー専任講師に聞いた「炭酸コーヒー」をおいしく作るコツ
UCC上島珈琲は、2001年に当時アメリカで流行していたコーヒーのコーラ割を日本で初めて商品化した「Cafe LA SHOWER」や、2014年には“スパークリングカフェイン”として提案した「FULL THROTTLE」など炭酸コーヒーを発売してきた。UCCグループが展開する上島珈琲店では、毎年夏の風物詩としてスパークリングコーヒー「冷珈(レイコー) ソーダ」が販売されている。
同社では炭酸水を使ったアレンジレシピも数多く発信している。UCCコーヒーアカデミー専任講師で、2014年のジャパンハンドドリップチャンピオンでもある土井克朗氏に、自宅でも簡単にできる炭酸コーヒーについて教えていただいた。
コーヒーの選び方
炭酸の気泡がはじけることで、コーヒーの香りや、苦み・酸味などの味わいを届けやすくしてくれるため、コーヒーの種類によって楽しみ方が変わる。
コーヒーのフレーバーは産地によって特色があり、ハワイ、エチオピアなどフルーティな味わいのものはさっぱりと、コロンビア、グァテマラなどコクのあるものは味のコントラストが楽しめる。焙煎が深い(焙煎香が強い)物はコーヒーらしい苦みが際立ち、スペシャルティコーヒーなど甘い香りを持つものはフレーバーをより感じる。
甘さの選び方
つなぎとして甘みを足すと飲みやすくなり、甘みの種類によってさまざまなニュアンスが楽しめる。一般的なガムシロップでもOKだが、おすすめは天然の甘み。
黒糖はガムシロップよりコクがあり、触感もしっかりしているのでリッチな印象に。はちみつは甘い余韻が長続きする。粘性が強いので水で割ってさらりとした状態で使うと良い。アガペシロップは少し入れるだけで甘みが出るので、さらりと楽しみたいときにぴったり。
炭酸水の選び方
炭酸水を注ぐとグラスの底に当たって気泡が上で弾け、香りが口元から鼻に抜けやすくなる。炭酸の強さや泡の細かさによって、飲んだ時の口当たり、食感を変化させることができる。
炭酸を楽しみたい場合は、炭酸ガスが抜けにくい瓶入りの炭酸水を使うとベスト。自分なりの心地よさや刺激の程度など、好みに合わせて炭酸水を選ぶとよい。
刺激が強くより爽快感を味わいたい場合は「強炭酸」。泡が強くはじけるのでコーヒーの香りをより届けてくれる。強い刺激が苦手な人には、気泡が細かい「微炭酸」がおすすめ。食感をなめらかにして、飲みやすくしてくれる。
おいしい炭酸コーヒーを作るコツ
基本のコーヒーはカプセルタイプやポーション、水出しアイスコーヒー、ハンドドリップなどいろいろとあるが、お湯の量を少なくして濃いめに作り、氷にコーヒーを当てる「急冷式」がポイントで、香りを閉じ込めることができる。
「DRIP POD」のような、種類が豊富でフレーバーによる違いも楽しめるカプセルはセットするだけでコーヒーが淹れられるので、炭酸コーヒーも手軽に作れる。
DRIP PODを利用した基本の「コーヒーソーダ」のレシピはこちら。
ハンドドリップで作る場合でも濃いめに作るのがポイント。1gに対しを5~6倍のお湯を使い、短時間で淹れると酸味寄りの味わいを出すことができ、炭酸水で割ると爽快感のあるソーダコーヒーができる。
かき混ぜるとき横に回すと気泡が抜けやすくなるため、つつくように縦に混ぜると炭酸の気泡が上がっていきコーヒーと炭酸水がなじみやすくなる。
【AJの読み】驚くほど味にバリエーションがある「炭酸コーヒー」の魅力
ガッサータをグラスに注いで飲むと、クリーミーな黒泡とエスプレッソの苦み、炭酸の爽快感が味わえ、まさに感覚は黒ビールだ。
近年、健康志向の高まりにより、糖分は取りすぎずに爽快感や刺激が得られる無糖炭酸水が
ブームになっており、自宅でお酒の代替として炭酸水を愛飲する人も増えている。こうした傾向から、ノンアルコールで罪悪感なく爽快感が味わえる「炭酸コーヒー」が注目されているのかもしれない。
一方で、UCCの提案する「コーヒーソーダ」は甘みをつなぎにした清涼感のあるドリンクで、今の季節にぴったり。普段コーヒーは無糖でしか飲まない筆者だが、コーヒーソーダにすると少し甘みを加えた方が飲みやすさを感じた。
筆者のおすすめはトニックウォーターで割りレモンを加えた「大人のビター柑橘コーヒーソーダ」。土井氏によると、トニックウォーターの酸味はコーヒーの酸味と相性が良く、爽やかに仕上げることができるとのこと。
文/阿部純子