日常に散らばる「幸せのカケラ」を探す
ちょっとしたことにでも、「すごい!」を連呼する人がいます。そんな人に会うと、「大したことじゃないのに大げさな」と感じることがあるかもしれませんが、実は「すごい!」をよく使うと、幸福度が高まります。
「すごい!」という「脳内トーク」には、大きなパワーがあるのです。
理由は、脳の「ルーティン効果」にあります。言葉を通して、過去の感動したときの感情がよみがえります。
何気ないことにも「すごい!」と「脳内トーク」すると、脳はそのすごい側面を見つけようとします。
たとえば、スーパーで買い物をしているとき。買い物は日常的なことで、いたって普通のことに感じますよね。
このとき、あえて「(買い物ができるのは)すごい!」と「脳内トーク」します。すると、脳は何がすごいのかを探そうとするのです。
「昔は、こんなに物が豊富でなかったはずなのに、一ヶ所で野菜から冷凍食品までなんでも揃うのはすごい!」
「100年前は、アイスを食べられるのは限られた裕福な人だけだったのに、これを100円で買えるのはすごい!」
「自分で海に出て釣ってくるのは大変だけど、こうして、新鮮な魚が手に入ることはすごい!」
など、普段は気にもかけない、いろいろな「すごいこと」に、脳が気づきます。
スーパーという存在は、私たちにとって今は当たり前のものです。脳は、当たり前になってしまうと、幸せを感じることができません。
でも、いろいろな視点で見てみると、当たり前と思っていたことが、そうではないことに気づきます。「すごい!」という「脳内トーク」は、普段は見逃しているような視点にスポットをあててくれる効果があります。
幸福度が低い人は、「すごい」という言葉を使わない傾向があります。
幸福度を上げたければ、「すごい!」という「脳内トーク」をよく使うことをおすすめします。
「よく使えと言われても、すごいと思えないから、なかなか使いにくい」
そう思う人もいるかもしれないですが、とにかく、意識的に使うようにしてみてください。「すごい!」と言うことで、すごい側面が見えてくるはずです。
もし、習慣化したい場合は、1日1000回「すごい!」と言ってみるのも効果的です(口に出しても、心の中でもOKです)。何度も触れる言葉は、脳が重要なものととらえるため、口ぐせのように習慣化されていきます。
また、「〇〇が好き!」「〇〇が楽しかった!」「〇〇が興味深い!」という「脳内トーク」も、日々の中で、使う頻度を多くすると幸福度が高まります。
脳が、勝手に好きな部分や楽しい部分、興味深いところを探そうとするため、視点が自然とプラスに変化していきます。
その結果、いつか自然と物事のとらえ方や、見え方が変わっていくでしょう。
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いかがでしたでしょうか? 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識(思い込み)を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者/西 剛志
発行/株式会社アスコム
著者/西 剛志(にし・たけゆき)
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com