「ダイエットしたいと思いながら、つい食べすぎてしまう」「忙しすぎて、自分のやりたいことをする時間がもてない」「相手にハッキリ言うことができず、ストレスを感じた」「ついスマホを見すぎて、時間をムダにしてしまった」など、思いどおりにいかない自分に苛立だったり、自分を責めたりしたこはないでしょうか?
日々の生活の中で、意志が弱く、なかなか思いどおりにいかないことってありますよね。でも、実は自分を変えることができるかどうかに、意志が強いか弱いかは関係ないそうです。
意志の力に頼るのでなければ、どうしたらいいか。その答えは「言葉の力」を利用することだそうです。人は1日の中で、自分との会話「脳内トーク」を何千回から何万回も行っていると考えられています。つまり、脳は「脳内トーク」の影響を多大に受けているのです。
それなのに私たちは他人と話す技術は学ぼうとするのに、なぜ自分と話す技術は学ばないのでしょうか? 今回は最新の研究データに基づき、誰でも簡単に「脳内トーク」を変えられる方法を、わかりやすく解説した脳科学者の西 剛志さんの著書「世界一やさしい自分を変える方法」の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします!
「脳内トーク」の技術を駆使して、脳をよい意味で騙し、自らを成功へと導いてください。
「逃げてもいいんだ!」という思考があなたを不幸にする
私たちの脳は、何かを嫌がるにつれ幸福度を下げ、連動してパフォーマンスも下がってしまいます。
英国ウォーリック大学の研究では、幸福度は仕事の生産性に10~12%も影響することが報告されています。
また、ほかの研究では、幸福度が高まると、仕事の生産性は31%高まり、創造性については300%も上がるという調査結果もあります。
そういった意味で、何事も嫌がってしまう性格だと、ビジネスの分野でもうまくいかなくなってしまう可能性があるのです。
そんなときは、こう「脳内トーク」してみてください。
「嫌なことから逃げてしまいたい。でも!」
具体的には、こんな感じに。
「俺は、嫌なことから逃げたい。でも、ここから学べることがあるかも」
「私は、嫌なことから逃げたい。でも、これをこなすと大きく成長できるかも」
「みかは、嫌なことから逃げたい。でも、この仕事でみんなに貢献できるかも」
など、「はじめに」でも紹介しましたが、「でも」のあとにはポジティブな言葉が続くため、脳はそのポジティブな側面にフォーカスして、出来事のとらえ方(視点)が変わります。
「でも」は、出来事や気持ちの視点を反転させる「脳内トーク」です。
「でも」を「脳内トーク」にうまく取り入れることで、幸福度が下がってしまう気分(嫌な気分)を反転させましょう!
気分がよくなる変化が続くと、脳はそれを快感に感じて習慣化しようとします。
つまり、マイナスなことがあってもプラスにとらえようとする「前向きな性格」になりやすくなります。
「でも」は、使い続けると、性格まで前向きになれる素晴らしい「脳内トーク」です。
また、「でも」の「脳内トーク」は自分だけでなく、人に対しても応用できます。
たとえば、上司から、
「これは、多くの人が嫌がる仕事だ」
と言われて、仕事をしていると、どうでしょうか。
第3章でも触れたように、ネガティブな言葉で一時的に集中力が上がる効果はあるかもしれませんが、脳にとっては長期的にはストレスとなるため、幸福度を維持できずに、パフォーマンスが下がってしまう可能性があります。
しかし、上司からこう言われたらどうでしょうか。
「これは、多くの人が嫌がる仕事だ。でも、君を変える人生最大のチャンスだ」
「でも」をつけただけで、最後の「人生最大のチャンス」という、ポジティブな言葉の印象が大きく残ります。
その結果、脳がポジティブな状態になるため、幸福度も上がって、長期的なパフォーマンスも上がることが期待できます。
これが、優れたリーダーや、チームを率いる卓越したスポーツ選手が使っている「脳内トーク」です。彼らは、ネガティブなことを伝えたあと、必ず最後に、人に力を与える言葉を使います。
なぜなら、相手に新しい視点を増やしてあげることで、周りもうまくいきやすくなるからです。
「脳内トーク」は自分だけでなく、相手にも視点を増やすことができる素晴らしいツールになります。